鶴見図書館長に就任した 木下 豊さん 鶴見中央在勤 61歳
無い物埋める、人との交流
○…今年度、開館40周年を迎える鶴見図書館。その舵取りを任された。図書館勤務は、前任の港北区から2館目。「鶴見の良さを勉強して、どんどん発信したい」と、まち歩きをしながら開拓中。「歴史もあり、多文化で美味しいところも多い。毎日が楽しい」と、わくわく感でいっぱいだ。
○…栃木県生まれ。横浜国立大入学の際、初めての住まいが二ツ池のそばだった。横浜市入庁後は鶴見とは縁遠かったが、地域や商店街、文化振興のほか、教育関連や各種プロジェクトの立ち上げなど、20カ所を経験。「人と協力しないとできないことも多かった」。ネットワークづくりの大切さなど、「人の力」を学んできた。前任地では、その経験を糧に来館者数を伸ばした。「一人じゃできない。つながりは大事。仕事にも趣味にも生きる」
○…大学生の長男長女、妻との4人家族。もともと歴史が好きで、最近は城めぐりにハマっている。好きが高じてSNS上に「図書館SIRO盛り上げ隊」を設立したほど。「2年ほどで100名城と続100名城を40カ所くらいめぐった」。妻とのコミュニケーションにも最適で、年に数回は連れ立つ。「最初は好きじゃなかったけど、説得して」。そう言って笑う。
○…「大した人間じゃない」。それが人とつながる理由でもある。無いものを持つ人との交流は人生を豊かにする。手慣れた手つきで操作するスマートフォン内のSNS。友人数は1650人。気さくな語り口と笑顔が、築いてきたつながりの数を裏付ける。「色々な団体があり、区民力が高い」。大好きな歴史も深く、すでに鶴見の虜。区や大学、市民との連携、使命でもある地域資料の収集など、やりたいことは枚挙にいとまがない。人の生む力を知る館長の”図書城”づくりが始まった。
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