県政報告ひでしの「実績で勝負」93 誰もが暮らしやすい社会を目指してヘルプマークの改善が実現へ 公明党 鈴木 ひでし
義足や人工関節、内部障がいや難病の方など、見た目からは疾患が分からない方が身につけることで、周囲の援助や配慮を受けられるようにするための「ヘルプマーク」をご存じでしょうか?
これは、東京都が赤字に白抜きで十字とハートをあしらったデザインで平成24年から配布しているものです。神奈川県でも私が28年の議会定例会の一般質問で行った提言により、ヘルプマーク導入が実現しました。そして今回、その更なる利便性の向上に向けた提言を議会で行いましたのでご報告します。
「相手に内容が伝わらない」
神奈川県は、29年3月から今年3月までで、23万5542枚のヘルプマークを配布しました。
この数字が示すように、県内でも配布が進んでいるところですが、一方で、私のもとにはヘルプマークを使っている方から、「身に着けていても、なかなか必要な時に座席を譲ってもらえず、困ることがある」「せっかく着けていても、手助けしてほしい内容が相手の方に伝わらない」などのご意見が寄せられていました。
そのようなご意見に対し、見た目からは分からない障がいのある方が、ヘルプマークを着けていても、周囲に適切な支援を求められず、生きづらさを感じていることに対して、何とか解決する方法はないかを考え続けていました。
当事者の声がヒントに
そんな中、認知症の当事者との懇談をしていた際に、その方から「ゆっくり話してほしい」など、「文字」で配慮してほしい内容をメッセージにしてヘルプマークに添えることで、周囲の方から必要な援助や配慮を得やすくなったとのアイデアをいただきました。
私は、このアイデアをぜひ実現したいと考え、今年9月の県議会厚生常任委員会の質疑の中で、「当事者が使用されているヘルプマークに文字を添えたものを写真とともに説明することでより伝わりやすくなる。県としても当事者のために、工夫すべき」と提言しました。
県の担当課長からは、「認知症当事者からのご意見は大変重要であり、必要な配慮を伝えるためにヘルプマークと一緒に使用するカードの作成など、当事者・ご家族のご意見を伺いながら、前向きに検討する」との答弁がありました。
課題や解決策は現場にあり
認知症の当事者の声から始まったこの取組が、障がいのある方や認知症の方にとって住みやすい社会になる手助けとなり、誰もが暮らしやすい、やさしい神奈川県の実現に向けた一歩となるよう、私は実現に向けてしっかりと注視していきます。
改めて、当事者の方には、政策の課題や解決策は現場にあることを教えていただきました。
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