奥山徹さん(白幡台)は7月末、自宅2階のベランダの片隅に「ドロバチ」の巣があるのを発見した。そこは洗濯物を干すために毎日のように使っている場所。「妻が怖がるので、後ろ髪を引かれる思いで取り除いた」と振り返る。しかし、数日後、新たに巣作りをする健気なドロバチの姿に感動した奥山さんは、約2週間にわたり巣の観察を始めた。
奥山さんは薬学博士。ドクター論文に「昆虫」関連のテーマを選ぶほど昆虫に関心を持つ。奥山さんは白幡台に長年住んでいるが、自宅でハチの巣を発見したのは2回目。久しぶりのドロバチの来訪を「7月の長梅雨が影響しているのではないか」と分析する。
「洗濯物は私が積極的に干しています」。ドロバチの巣にあいさつするのが日課となった奥山さん。ドロバチはスズメバチのような獰猛さはない。軒先などに泥で巣を作り、チョウやガの幼虫を狩り、幼虫の餌にする。「実際、巣の下に青虫が3匹残されていた」。観察から2週間後、だ円形(縦19cm、横6cm、奥行き3cm)の巣が完成した。と同時に、ドロバチの姿が消えてしまったという。
「消息不明の理由は『ファーブル昆虫記』にも書いていなかった。今は成虫になるのを楽しみにしている」と話した。
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