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公開日:2024.01.01
本遠寺
学び場続く 私立図書館
100年以上前に開設
今年市制100年を迎える川崎市。同じ頃に開設されたのが、初香山本遠寺(初山)の「向丘図書館」だ。市内初の私立図書館として農村の人々に娯楽や勉学の場を与え、生活を支えた。100年前からの跡をたどった。
向丘図書館は1922(大正11)年、先々代の住職、町田練秀によって開かれた。蔵書数は約5000冊、練秀が収集した和漢書が中心。子どもや農民、学生らが利用し、1日平均で6〜7人が閲覧、貸出をしていた。息子とともに管理運営をしていた練秀は、日蓮宗宗務院や県、役場から毎年補助を受け、溝口の島崎書店(現在の文教堂書店)から本を購入していたという。昭和の初めの頃まで貸出を行っていた。練秀の孫、町田順文住職(74)は「当時本は貴重なもの。テレビもない中、ここで借りた本からいろんなものを学んでいただろう」と話す。
読書の跡残る
同寺の敷地内にはリフォームされた図書館の建物が数々の書籍とともに残る。日蓮宗関連の専門書から写真集、「澁澤榮一全集」「プラトーン全集」まで幅広いジャンルの蔵書には貸出票が貼られ、人々の読書の形跡が残る。順文住職は「昭和初期のこの辺の様子や、出征する人を記録した16mmフィルムもあった」と説明。書棚は、開設時から使用され、背面に金網が使用されているものを修繕している。
とんもり谷戸や旧鎌倉街道に近い同寺は、鎌倉時代の1275年に開山。1872(明治5)年には向丘小の前身の一つ「初山学舎」の校舎としても使われた。寺の周囲は、ほとんどが農家。農繁期には託児所として機能したことから、隣接地には1964年に初山幼稚園ができた。
「時代に合わせ活用を」
現在の図書館内には、ピアノや電子オルガンが置かれ、園児が通う音楽教室の会場としても使用されている。勉強の講習会や部活動の練習場として使われたこともあるという。「閉じこもらず、人が出入りすることが、建物にとっても本にとってもいいことだと思う。その時代にあった使い方がいいのかな」と順文住職。100年以上前から人々の学びや生活を支えてきた場所は、今も根幹を変えず続いている。
川崎市は1924年に誕生。38年に宮前村と向丘村が廃止され川崎市に編入。72年には政令指定都市となり高津区ができ、82年に高津区から分区し宮前区が誕生した。
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