新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、マスク着用が日常になった。しかし装着し続けていると『耳が痛くなる』『ピアスが絡まる』という新たな悩みの声もよく聞こえてくる。
そこで、補聴器店の店主がマスクを耳にかけずに装着できる「マスクリップ」を考案。これまで1000個以上制作し、店の顧客、市内外の医療機関、視聴するネット配信番組に寄付。喜びの声が届いている。
”相性悪い”きっかけ
マスクリップは着脱可能なストラップと髪ゴムを組み合わせたもの。マスクの両紐に結び、後頭部で留められる。
考案したのは補聴器店(有)堺堂の店主、大貫悦信さん。大貫さんは「マスクは補聴器と相性が悪い。マスクを取るときに補聴器まで外れ、落としてしまうことも。花粉症の時期に向けて不便さを何とかしたいと考えていた」と話す。
初めは帽子と服をつなぎとめるクリップ、長さ調整できるパーツで試作。「マスクが下がってくるのと、コストも高かった」と失敗作に。だが、紐ではなく、伸縮性のある髪ゴムに着目。試行錯誤を繰り返し、現在の形が完成した。「花粉症シーズンが始まる前に」と、早速同店の顧客に配布すると、同店には喜びの声が届いた。
ネット番組で全国に
新型コロナウイルスにより、マスク着用が必須になると、「マスクリップ」の注目度も増した。
大貫さんは、自身が視聴するインターネット配信番組に、スタッフ用の「マスクリップ」と、必要としている医療機関に寄付したいことを書いた手紙を送った。番組内で手紙が紹介されると、大貫さんの元に埼玉県や和歌山県の医療機関から連絡があった。
「必要とされるのなら」と、大貫さんは市内医療機関や軽症者を受け入れ施設にもマスクリップと手紙を送った。すると、感謝状や病院長直筆の感謝の手紙、看護師が使用している写真が届くなど、喜びの声が届いている。大貫さんは「試しにという気持ちで送ったけど、自分のアイディアが少しでも役に立てたなら嬉しい」と語った。
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