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高津区 社会

公開日:2020.12.11

【Web限定記事】
「ホームレスにとって『缶集め』は死活問題」
資源物の持ち去りを禁止する条例の制定をめざす川崎市に直接思いを吐露

  • 市職員に声を届けるホームレスら

 資源物の持ち去りを禁止する条例の制定をめざす川崎市は12月7日、アルミ缶を集めるホームレスから直接意見を聞く集会を川崎区内で開いた。

 民間支援団体などを通じて集まったホームレスは10人弱。薬物やギャンブル依存からの脱却を支援する団体・川崎マックの青木知明さんは「条例を制定する前に話し合う市の姿勢は評価したい」としながらも、「アルミ缶集めで100人ほどが食いつないでおり、まさに死活問題。別の対策を検討すべき」と訴えた。

 70代のホームレスの男性は「罪悪感はあるから、住民に迷惑をかけないよう挨拶や掃除もしている。中には好意で缶を提供してくれる人もいて生きがい。アルミ缶頼みの生活で、死ぬ勇気もない」と思いを吐露した。他の参加者からは、市の委託業者以外で粗大ごみを回収するトラックや、ホームレスを装い缶集めする人がいるなど、市内の資源物持ち去りをめぐる現状も伝えられた。

 市環境局の担当者は「条例制定に向け、市民の安心安全を前提に、路上生活者の声を参考に自立支援策も含めて検討していく」とし、今後も集会を開く予定という。

 市が今年実施した調査では、市内のホームレスは214人で、5年前と比べ半減している。

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