3歳児健診の視覚検査、市内眼科健診の充実に向けて 市政報告 スマホで目を悪くしている子どもが多い!? 自民党 川崎市議会議員 青木のりお
川崎市眼科医会は3歳児健診における眼科検査の充実と市内の健診における眼科健診体制の構築に向けて、本市に予算要望を提出しました。
要望の背景
近年、子どもの近視は著しく増加しています。平成30年学校保健統計によると、裸眼視力が1・0未満は、幼稚園で26・68%、小学校では34・10%と過去最高でした。近視の発症が早ければ、最終的な近視度数は高くなります。
近視が低年齢化する中、早期発見のために3歳児健診の眼科検査の充実が必要となります。成人に関しても、失明の三大原因の第一位である緑内障は40歳以上の20人に1人が疾患していると言われています。緑内障は初期には自覚症状が乏しく、進行して発見されるケースが多いです。一度進行すると、回復することがなく、放置すれば失明に至ります。症状がなくても定期的に検査をすることが望ましいです。
現在、市の健診には眼科健診が含まれておりませんが、成人における失明リスクを最小限にするために、視力検査や眼圧、眼底検査等の眼科健診の構築が望まれます。
子どもの弱視
「弱視」の子どもは50人に1人はいるとされています。弱視とは、近くも遠くもピントが合わない状態で視力が固定される視覚中枢(脳)の発達障害であり、適切な時期に治療をしなければ眼鏡をかけても視力が出ません。視力が発達する期間は限られており、3カ月から1歳半をピークに3歳ごろまで続き、おおよそ6歳までに完成します。大人になってからでは弱視の治療はできません。そのため3歳児健診で弱視を発見することが非常に大切です。
3歳児健診における1次検査は家庭で行う簡単な視力調査とアンケートの記入です。しかし、子どもが見え方をうまく説明できない、保護者が「我が子がまさか見えていない」と感じないなど検査精度には限界があり、家庭での検査と問診だけでは多くの弱視を見逃してしまう可能性があります。
屈折検査の充実を
川崎市眼科医会は、3歳児健診における屈折検査充実のため、簡単に検査できる屈折検査機(SVS)の導入を要望しています。屈折検査とは、目のピントが合うために必要な屈折を調べる検査で、弱視の主な原因である遠視・乱視の程度を確認し、子どもの応答に頼らずに客観的に弱視のリスクを推測できます。
検査時間・コストなどの課題がありましたが、近年、簡便な検査機器であるSVSが生産され、子どもへの負担なく数秒で精度の高い検査が可能となりました。すでに導入した自治体では発見率の向上が見られ、弱視の見逃し防止に有用との報告が出ています。
屈折検査の導入は将来強度近視に至る可能性がある小児近視の早期発見も可能であり、テレワークにより増加しているIT眼症や・老視の進行なども診ることができます。様々な目のトラブルの早期発見のためにも本市健診におけるSVSの導入が期待されます。
求められる目のケア
近年はスマホ・PCの普及により、老若男女を問わず目の不調を訴える人が増えています。スマホの利用は低年齢化し、総務省の調査によると、小学生の85・6%がスマホを保有しており、インターネットの使用時間は1日平均118分にも上っています。
弱視・近視・目の病気、全てに共通して早期発見と早期治療が必要です。人生100年時代、健やかに過ごすためにも目の健康を維持することは大切です。髪や歯をケアするように目にも気を配りましょう。市の健診が皆様の目の健康に繋がるよう引き続き注視してまいります。
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4月19日