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高津区 教育

公開日:2022.12.09

【Web限定記事】
川崎市在住の元教師・佐々木勝男さんが「教員生活35年の歩み」を一冊に
ユニークな授業を実践、2年かけて執筆

  • 著書を手にする佐々木さん

 川崎区日進町在住の元教師・佐々木勝男さん(78)が35年間の教員生活をまとめた『教師として歩んだ35年の道』を出版した。

 佐々木さんは1968年に川崎市の教員となり、田島小学校で12年、川中島小学校で13年、浅田小学校で10年間教えた。「面白くなくては授業じゃない」をモットーに、模造紙を使い、実物大の奈良の大仏像を描く授業や、川崎大空襲を題材にした創作劇など、様々なユニークな授業を実践した。

 過重労働による学校教師の疲弊や若者の教員離れを憂える中、自身の経験を伝え「21世紀に生きる若い先生たちに希望をもってもらいたい」との思いを込め、2年かけて執筆した。

 同書は序章と第1章から7章で構成。「私の生い立ち」では、岩手の農山村で生まれ育ち、詩人・宮沢賢治や石川啄木に影響を受けたことなどを綴る。

 「小学校・各学年の授業実践(例)」の章では、小学校1年生に教えた性教育の取り組み、4年生に行った多摩川の学習などを紹介。小学校での世界史学習の可能性を探り、『アメイジング・グレイス』をテーマに、アメリカ黒人の歴史を教える授業の展開についてもページを割いた。

 田島、川中島、浅田小学校時代で取り組んだ授業についてもそれぞれ章を割き、資料を交えながら紹介する。

 「地域に根差す教育運動と教師の成長」では、佐々木さんが関わった川崎南部民教や川崎教育サークル連絡協議会での運動の歩みを取り上げている。

 佐々木さんは、上京して初めて川崎駅に降り立った時、公害の臭いやスモッグで汚れていた空を見て「大変なところへ来た」と3年で故郷へ帰ろうと考えていたという。それでも全国様々な場所から人が集まり、活気に溢れていた川崎をだんだんと好きになったと振り返る。現役時代は「金八先生」と呼ばれるほどの熱血漢。教師仲間や保護者ともよく酒場談議を行い、信頼関係を築き上げたという。

 本はA5判466ページ。1600円税別。希望者は、住所、氏名を記載しファクス044・222・3140で受け付けている。

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