神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
高津区版 公開:2025年6月13日 エリアトップへ

KISTEC溝の口支所職員 「化学五輪(オリンピック)」代表選手を支援 選考会臨む高校生に助言

教育

公開:2025年6月13日

  • X
  • LINE
  • hatena
左から落合さん、早田さん、濱田さん
左から落合さん、早田さん、濱田さん

 「神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)溝の口支所」(高津区坂戸)が開設する「光触媒ミュージアム」に刺激を受けた高校生が、7月にドバイで開催される「国際化学オリンピック」に日本代表として出場する。高校生の背中を押して学びを支えたのは、KISTECの研究員たちだった。

 「国際化学オリンピック」に出場するのは、大和市在住で三田国際科学学園高等学校(東京都世田谷区)に通う3年生の早田茂さん。全国の高校生が化学の実力を競う「化学グランプリ」で優秀な成績を収め、「オリンピック」の日本代表の一人として選抜された。

 早田さんが「オリンピック」に挑戦しようと決意したのは、2023年12月のことだった。ある日の放課後、「リンモリブデン酸アンモニウム」について調べるため、東急溝の口駅で途中下車し「かながわサイエンスパーク」(KSP)内にある県立川崎図書館を訪れた。この時、KSP内の「光触媒ミュージアム」(藤嶋昭館長)にも立ち寄ったが、休館日だった。「光触媒の『ミュージアム』に、何があるんだろう?」。化学の知識が豊富で探究心旺盛な早田さんは、日を改めることにした。

 早田さんはミュージアムを再訪すると展示を丹念に見ながら、空気清浄機や生活用品など、光触媒が幅広い用途に製品化されていることに驚き、そばにいたスタッフを質問攻めに。その様子を見たKISTEC研究員、濱田健吾さんが、早田さんに「挑戦してみては」と手渡したのが、「オリンピック」の選考を兼ねる「化学グランプリ」の要項だった。

 その帰り道には心を決めたという。「自分の実力を試したいと思った」

方向性を軌道修正

 早田さんは昨夏の「化学グランプリ」に挑戦。日ごろの学習の成果を存分に発揮し、「オリンピック」の代表選抜に進んだ。しかし選抜試験の過去の問題は非公開のため、勉強方法に迷ったという。そこで濱田さんにメールで相談を寄せ、濱田さんは上司の落合剛さんと情報を集め、「応用力が問われるはず。暗記ではなく応用を意識して」とアドバイスした。以後もたびたび二人から助言を得たといい、早田さんは「勉強の方向性を軌道修正してくれた」と感謝を述べる。

 今年3月、早田さんがKISTECを訪ねてきた。満面の笑みで「オリンピック」代表に決まったことを報告。二人も大いに喜び、祝福した。

 将来は、「光触媒」を発見したミュージアムの藤嶋館長のように、「自分の研究が新しい分野を生み出せるような研究者になりたい」という早田さん。まずは決戦の地・ドバイで金メダル獲得を目指すべく、準備を進めている。

高津区版のトップニュース最新6

「養育里親」の普及目指し

高津区 NPO法人「キーアセット」

「養育里親」の普及目指し

13日、体験談交え説明会

7月4日

「多摩川アユの遡上」初調査

川崎河川漁業協同組合

「多摩川アユの遡上」初調査

釣り場づくり向上、模索

7月4日

女性が働きやすい環境へ

高津警察署消防署区役所

女性が働きやすい環境へ

初の「合同意見交換会」

6月27日

「ダンスの祭典」再び

ミゾノクチキラリデッキ

「ダンスの祭典」再び

7月13日、子ども向け教室も

6月27日

高津署 対策に本腰

特殊詐欺

高津署 対策に本腰

「県警アプリ」等の利用PR

6月20日

新議長に原典之氏

川崎市議会

新議長に原典之氏

副議長は高津区選出、堀添氏

6月13日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

高津区版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

高津区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2025年7月10日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Facebook