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公開日:2026.05.08

川崎市の認知症対策(その2) 連載128 「認知症神戸モデル事業」について みらい川崎市議会議員団 こば りか子

  • 「認知症神戸モデル事業」について (写真1)

 軽度認知障害(MCI)をご存知ですか。

 MCIとは、「認知症ではないが認知機能が年齢相応よりも低下した状態」のことを指し、「健常加齢と早期認知症の中間的な状態」とされています。MCIと認知症の違いは、「日常生活に支障があるかどうか」ですが、MCIの人は3〜10年以内に認知症へ移行する割合が高いと言われている一方で、疾病のコントロール等により認知機能が健常な状態に改善することがあります。

 神戸市では、2019年度から2027年度まで個人市民税均等割に1人あたり年額400円を上乗せする超過課税を原資に、「認知症神戸モデル事業」を実施しています。これにより、65歳以上の市民は全員、自己負担ゼロで医療機関における2段階方式の認知症診断が受診でき、認知症と診断された方が、例えば外出時、線路内に立ち入り、損害賠償請求等された場合、自己負担なしで救済を受けられます。

 一方、川崎市では認知症患者には、自立支援策や財産等を守るための制度を実施していますが、増加し続ける認知症患者を抑制する対策としては、MCIスクリーニング事業のみとなっています。しかしその受診実績について調査したところ、令和7年度の本市の認知症患者数は約7万2千人ですが、スクリーニングを受けたのはわずか671人と、0.01%にも満たない状況です。これまでも、議会の代表質問等でも何度も「神戸モデル」の導入を促す議論をしてきましたが、川崎市は「認知症の対応には早期発見・対応と併せ、予防と普及啓発の観点を重視し、予防に資する活動や介護予防普及啓発事業を促す取り組みのほか、適宜適切なタイミングでの医療受診につながるようフォローアップ体制の充実を図る」とし、あくまでも「自己責任」や「事業者の取組」に重点が置かれています。

 「神戸モデル」のような超過課税には他にも事例があります。神奈川県を含む37府県では「森林整備や水源保全のための環境税」を導入。横浜市は、「樹林地・農地の確実な担保、身近な緑化の推進、維持管理の充実によるみどりの質の向上、ボランティアなど市民参画の促進」を目的に、市民税に年間900円の上乗せに加え、法人市民税にも年間均等割額の9%相当額を上乗せし、「横浜みどり税」を導入しています。

 「認知症神戸モデル事業」のように、市民生活や財産に資する重要施策とはいえ、個人市民税に超過課税を付し事業を実施するには、市民理解を得るための行政側の信念と相当の覚悟が不可欠です。しかしながら、神戸市のように、認知症の啓発・周知⇒早期発見⇒医療との連携⇒万が一事故が起きた時の救済など、認知症対策に対し覚悟を持って取組む姿勢は、一市民として羨ましく思います。

 今回は、他都市の認知症対策を紹介しました。

 みなさんは、この「認知症神戸モデル事業」について、どのように考えますか?

みらい川崎市議会議員団 木庭理香子

TEL:044-299-7360

http://www.koba-rikako.com

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