川崎港が輸出入の取扱量増加に向け動き出している。土地活用や交通環境の整備、航路拡大、増便などハード・ソフト面での基盤整備を進め、利用促進を図る。今年は2021年度からの5カ年計画として新たな目標を掲げる、飛躍に向けたキックオフの年となる。
川崎港振興協会によると、今年度中に15万TEU(20フィートコンテナ15万個分)としていた取扱量の目標は、昨年度中に達成。16万TEUに迫る勢いだという。
コロナ禍で全国的に港の輸出入の取扱量が低迷する中、1月から10月にかけての川崎港の月ごとの取り扱い量は、前年比平均約120%と好調を維持。同協会は要因の一つに、川崎港が有する日本有数の冷凍倉庫をあげる。「コロナで家庭用冷凍食品の需要が高まったことによるものが大きい」と市港湾局担当者。また、大手家具量販店や衣料品生産販売大手との取り引きも大きな力となっているという。
市港湾局は取扱量の増加に対応するため、2021年度から25年度までの期間で整備方針案を示している。同協会の斎藤 文夫会長は「5年で取扱量20万TEUを目標とする。再整備に向け、今年は重要な年となる」と力を込める。整備の要となるのがコンテナ置き場の拡張。現在、活用されていない周囲の土地なども含めて有効活用し、収容数を上げる方針だ。
また、東扇島堀込部の埋め立ても現在進めており、将来的には40万TEU以上の取り扱いを可能とする計画だ。
交通環境の整備にも力を入れる。2023年には物流施設が集積する東扇島と内陸部をつなぐ橋「臨港道路東扇島水江町線」が完成予定。渋滞緩和に期待がかかる。同協会担当者は「渋滞のない川崎港を目指し、関係機関と連携して進めていく」と話す。
市民に開かれた港へ
新たに架けられる橋の両端には、一般市民も利用できるエレベーターが設置される予定。遊歩道も作られるため、「港を一望できる。観光スポットとなるのでは」と斎藤会長は話す。若者文化の拠点となるちどり公園や、広域防災拠点の東公園なども所在する川崎港。市民に開かれた港として、利用促進を目指していく。
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