川崎市と京急が進める「京急大師線連続立体交差事業」。市は4月15日、「1期【1】区間(小島新田駅〜東門前駅)」の事業費を約59億円増額、工期を2年間延ばし、2023年度末までとすることを発表した。地盤の強度不足による追加工事が発生したことなどが要因という。
市は昨年6月に庁内検証委員会を設置し、京急から提示された内容の検証作業を進め、妥当と判断した。総事業費は約642億円から約701億円に変更となる。
工事の進捗にともない、小島新田駅ホーム部の地盤強度不足が判明した。セメントでの補強といった改良が必要となったことなどから、昨年度までに約35億円の追加工事が発生。昨年度中に施工協定時点(2017年)での事業費約642億円に達した。今年度以降に実施する駅舎整備などの費用が不足する形になったため、京急から事業費増額の申し出があった。
検証作業などにより大師橋駅駅舎の工事着手が12カ月ずれた。加えて、整備期間中、乗降客の動線や安全を確保するため、地上仮設通路の位置を変更する回数が増加したことで、4カ月間の追加期間を必要とすることから、工期を2年間延ばすことを決めた。
大師橋駅の近くに住む石川克己さん(77)は「工事の遅れは残念だが、事故なくスムーズに進めていってほしい。完成後のまちづくりに期待したい」と話す。
川崎市側の負担は約54億円増の約674億円、京急は約5億円増の約27億円に変更となる。行政負担のうち、約47%は国の補助金で補うという。
10カ所の踏切除去
同事業は小島新田駅から鈴木町駅間の約2・4キロメートルを地下化し、区間内10カ所の踏切を除去する。「1期【1】区間」「1期【2】区間(鈴木町駅〜東門前駅)」に分け、2006年に【1】区間の工事に着手した。
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