地場産野菜を地元飲食店などで活用することで地産地消を進めようと、川崎市の南北をつなぐ「やさいバス」の運行が11月19日から始まった。飲食店や食品加工会社などがアプリで野菜を注文し、近隣のバス停で受け取ることができる。産業振興会館内のカフェ・まんまmiyuの岩篤志さんが各方面に協力を呼び掛け実現した。
やさいバスの運行は木下農園(麻生区)、やさいバス(株)(静岡県)、まんまmiyu(幸区)らが連携した取り組み。
岩さんは以前から「川崎市北部の生産地と、南部の消費地をつなぐ仕組みを作りたい」と構想。静岡県や千葉県などで運行実績のある「やさいバス」に目を付けた。同社と交渉を重ね、市内農家に協力を依頼。相模原市などを経由する同社の既存ルートに市内2カ所(木下農園・まんまmiyu)のバス停を追加した経路を提案し運行をスタートした。
初日には木下農園から小松菜やカブ、トマトなどがバス停となるまんまmiyuに届いた。野菜を注文し、受け取ったキムチ販売店・おつけもの慶の担当者は「他県に劣らず新鮮でみずみずしい。南部の人は北部の生産地のことを知らない人も多い。定期的に運ばれてくることで認知度があがるのでは」と期待を寄せる。
配送コスト削減や販路拡大に利点
やさいバスは、生産者がアプリを通して飲食店や食品加工会社などから注文を受け、近隣のバス停に野菜を持ち込む。各所を巡回する専用トラックが運び、注文者が近隣のバス停で受け取る仕組み。販売額の15%がシステム使用料として農家の負担となるが、配送コストや廃棄量削減、販路拡大などにつながるメリットがある。消費者側は、コンテナ代1箱350円がかかるが、入荷のために遠方まで足を運ぶ手間がなくなり、新鮮な地場産野菜が手に入る。
岩さんは「今後は協力農家やバス停の数を増やし、川崎市内を巡回するルートを確立したい」と意欲を見せる。現状、注文できるのは飲食店や食品加工会社のみだが、将来的には一般の人も購入できる仕組みを検討しているという。まんまmiyuでは、水曜、金曜日の週2回の野菜バス運行時に、購入した野菜を店舗で直売する予定。
同事業は市の中小企業間連携新規事業化モデル創出事業の一つに採択されている。
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