入居者減に苦しんでいた緑区大島地区の商店会「リリマート」(飯塚侑代表)がこのほど、国連が採択したSDGs(持続可能な開発目標)の理念を取り入れて生まれ変わり、復活の兆しをみせている。市内には大小合わせ70近い商店会があるが、加盟店舗が少なく、存続が危ぶまれる商店会も少なくない。独自色を打ち出し、再生に乗り出すこの試みは注目を集めている。
県営大島団地近くにある「協働組合リリマート」は1974年に設立された、45年以上続く老舗商店会。2年前、高齢化などにより入居する6件の内3件が撤退した。3年前から理事長に就任した飯塚代表は危機感を覚え、昨春に規制が多い入居条件を緩和するため県と交渉し、協同組合から任意団体『リリマート』に登録を変更して、改革を実行した。その一環として、商店会としての特色を持たせたいとの方針のもと、市が積極的に取り組むSDGsを前面に押し出した商店会に再生させようと、今春からさまざまな取り組みを行っている。
まず着手したのが商店会のシャッター。5月にはSDGsが掲げる17の目標を描き、その理念を共有している。さらに、入居するパン屋で余ったパンをカフェで再利用して食品ロスを減らす取り組みを実施。飯塚代表は「商店会は住民のためのもの。新たに入居した店舗もダンススクールやカフェなど地域に親しまれる業種に限定した。SDGsはちょっとした心がけで誰でもできる取り組み。入居店舗にもその理念に賛同していただいている」と話す。
地元自治会も協力
さらに、この取り組みを地元の県営大島団地自治会(内田匠一会長)も積極的にバックアップする。協力して地域清掃にあたったり、イベントを共同で企画する。内田会長は「県営団地も高齢化が一つの課題だったが、近くの商店会が活気づいたのは喜ばしい。入居するダンススタジオは子どもの憩いの場になっているし、防犯カメラを大幅に増やしてもらったり、夜間蛍光灯を照らしてもらうなど、防犯面で非常に大きい助けになっている」と感謝する。
今冬には、自治会の集会所周辺に両者が協力してクリスマスツリーも飾り、イルミネーションを点灯する予定。飯塚代表は「コロナ禍で夏祭りやイベントが全て中止になり、心が沈みがちな中、地域を点灯して少しでも住民の心を明るくしていければ」と話した。
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