県政報告Vol.61
県政の課題を問う
自民党県議会議員　河本（かわもと）文雄（ふみお）

　「持続可能な神奈川の推進」に基づき、９つの重点事業を柱とした令和５年度当初予算案が、３月15日に県議会で可決しました。一般会計は２兆２６１６億６１００万円。特別会計・企業会計と合わせた総額は４兆６８１５億１２００万円で、過去最大となりました。今回は重点事業の主だった内容を報告いたします。

新型コロナウイルス感染症対策

　新型コロナとの共存を前提とした「持続可能な医療提供体制」を構築するため、ワクチン追加接種や検査体制の整備等の感染拡大防止対策、必要な病床や宿泊療養施設、自宅療養の体制等の確保に取り組みます。

県内経済・産業の活性化

　「中小企業・小規模企業の活性化」や「成長産業の創出・育成」「産業集積の促進」を図りつつ、県民の雇用環境を改善し、物価高騰等により影響を受けた県経済の好循環を回復させるとともに、生産性の向上を図り、持続可能な未来につながる農林水産業を構築します。

障がい・高齢福祉施策の推進

　当事者目線に立った障がい福祉の実現を目指し、中井やまゆり園をはじめとした県立障害者支援施設の日中活動の充実等や意思決定支援の普及・定着の取組を実施します。また、「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例」及び「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念の普及を推し進めるとともに、障がい児・者の障がい特性に応じた、生活を支えるサービスのさらなる充実強化に取り組みます。

　また、高齢者への適切な介護サービスの提供や総合的な認知症施策等を進めます。

安全で安心してくらせる神奈川の実現

　安全で安心してくらせる「災害に強いかながわ」を実現するため、地震災害対策推進条例に基づく自助・共助の取組や中長期を見据えた減災戦略に基づく対策に取り組むとともに、「神奈川県水防災戦略」を改定し、風水害対策を計画的に進めます。

　また、地域防犯力の強化や、消費者被害の未然防止と救済、県民と一体となった交通安全運動・対策等を実施することにより、犯罪や事故などのない安全で安心なまちづくりを推進します。

子ども・子育てへの支援

　すべての子どもが幸福で健やかに成長できる社会の実現に向けて、結婚や子育ての機運醸成を図ります。

　また、保育士など子育て支援人材の確保・育成や、保育所整備など待機児童対策の一層の推進に取り組むとともに、幼児期の教育・保育の提供体制の確保・充実に取り組む市町村等を支援します。

　さらに、児童虐待、子どもの貧困、ひきこもり、いじめ等の課題に対応するため、ＳＮＳを活用した相談を実施するとともに、私立高等学校等生徒学費補助を着実に実施します。

その他の重点事業　

　上記５つの重点事業のほか、「脱炭素社会の実現に向けた取組」「未病改善の取組及び地域医療体制の整備」「行ってみたい神奈川の魅力づくり」「県立高校改革等教育環境の整備の推進」の４つに取り組みます。

　今後も、県民が安全で安心して暮らせる社会へ向けた施策に力を注いでまいります。