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さがみはら中央区 社会

公開日:2025.09.29

社会に疎外感を抱く若者、ペットとの絆で幸福度向上
麻布大学研究チームが全国調査で明らかに

  • 研究結果の概要図(麻布大学提供)

 麻布大学の子安ひかり特任助教は、2023年度に実施した全国の高校生・大学生約2800人を対象とした研究結果を発表した。社会的な疎外感を抱えながらも幸福度が高い若者は犬や猫に対して親密な愛着を持ち、心を打ち明ける関係を築いていることを明らかにした。

 この研究は、麻布大学の永澤美保教授、菊水健史教授、京都大学の村井俊哉教授、東京都医学総合研究所の西田淳志センター長らとの共同研究として実施された。

 今回、論文の執筆者である麻布大学獣医学部動物応用科学科の子安ひかり特任助教に研究結果について話を聞いた。

「社会的疎外感が高い人」とペット

 研究では、対象者を「文化的離反度」(社会との価値観の不一致を感じる度合い)と「ウェルビーイング」(幸福度)の平均値に基づいて4つのグループに分類した。

 その結果、文化的離反度が高くてもウェルビーイングが高いグループは、ペットに対して高い親密な愛着を示し、「ペットにいつも大事なことや心のうちを打ち明ける」傾向があることが判明した。

 子安氏は、社会的疎外感が高く、幸福度も高いグループが、環境や野生動物に対して人間中心的な考え方を持ちつつも、ペットには心を打ち明けるという一見矛盾した結果について、次のように分析している。

 「彼らは、野生動物などの『外』の世界と、ペットという『内』の世界を明確に区別しているのかもしれません。ペットを擬人化し、人間的な感情を投影することで、話を聞いてくれているように感じていると考えられます。人には話せない弱さや本音も無条件に受け止めてくれる存在として、ペットが重要な役割を果たしていると言えるでしょう」

 子安氏は今後、ペットが人間に与える心理的・生理的な変化を調べる実証的な研究などにも取り組む予定だと話した。

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