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内科医牛山さん 被ばくの国の現状(リアル)知る ベラルーシで医師研修

社会

公開:2013年4月25日

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甲状腺への穿刺吸引細胞診の指導を受ける牛山さん。放射性物質ヨウ素131は、甲状腺がんを引き起こすリスクがあると考えられている
甲状腺への穿刺吸引細胞診の指導を受ける牛山さん。放射性物質ヨウ素131は、甲状腺がんを引き起こすリスクがあると考えられている

 放射線による被ばくから子どもたちを防ごうと、市内近郊で啓発活動を続けている市民グループ「こどもまもりたい」のメンバー・牛山元美(うしやまもとみ)さん(南区相南)がこのほど、ベラルーシ共和国で甲状腺疾患などに関する医師研修を受講した。被ばく国のリアルな現状を知りたいと、5日間の日程で甲状腺エコーの実習や手術を見学。同グループではあす4月26日(金)に、牛山さんのこの研修の報告会を東林公民館(同)で開催する。

 さがみ生協病院(相模大野)で内科医を務める、牛山さん。市内外で講演を行うなど、放射線被ばくの実態を訴え続けている。

 今回、牛山さんが向かったのは、チェルノブイリ原発事故の影響を大きく被った東欧のベラルーシ。首都ミンスクにある国家機関「卒後再教育のためのベラルーシ医学アカデミー」で実地研修を受けた。ベラルーシでは、医師免許は定期的に更新されなければならず、このアカデミーは医師たちの再教育のための国内唯一の大学病院。この研修に日本からは、牛山さんの他4名の医師が参加した。3・11から2年以上が経過した現在でも、甲状腺疾患についての研修を同アカデミーで受講した日本人は初めてという。

鼻血は無関係か?

 牛山さんらはプログラムの中で、ベラルーシ国内における甲状腺ガンの発生状況についての医学講義を受講した。エコーや、細い注射針で細胞を吸引し検査する方法(穿刺(せんし)吸引細胞診)などを実習。また、放射能汚染の高い地域となった現地のゴメリ州にも赴き、幼い時に甲状腺ガンの手術を受けた人や、被ばくの現実に立ち向かってきた地元の小児科医のリアルな現状に耳を傾けた。

 研修の中で改めて知らされたのは、チェルノブイリ原発事故後、現地では鼻から出血したり、激しい吐き気を催す人が多かったという事実。牛山さんは福島第一原発からおよそ250Km離れた相模原でも、事故後、「子どもが鼻血を出した」「初めて口内炎になった」という話を聞いていた。それが放射線による影響なのかどうかの医学的な実証はいまだない。しかし、牛山さんはその因果関係を臨床的に調べる必要性を感じている。

 現在、勤務している病院では「放射線被ばく関連健診」を行っている。希望者は甲状腺エコーや血液検査などを自費で受診することができる。ベラルーシへの渡航で、「観察と記録は、臨床医にとって最も基本的な任務。その思いを改めて強くしました」と牛山さん。病院では、この健診受診者の記録を正式なカルテとして残していくという。「統計的に意味のある受診者数になれば、その結果をまとめて発表していきたいと思っています」。

あす夜に報告会

 なお、報告会では、ベラルーシにおいての当時・現在の状況や内部被ばくの実態を、牛山さんが参加者に伝える。時間は午後7時から9時まで。予約は不要。参加無料。問い合わせは、こどもまもりたい【電話】042・777・5557(能勢さん)へ。
 

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