「グルメシティ二本松店」(二本松)が、3月31日をもって閉店した。開店から43年。地元商店街、自治会の催しや小中学生の職場訪問などにも協力的で、地域に溶け込んでいただけに、地元からは閉店を惜しむ声もあがった。
同店は1973年4月に、前身である忠実屋としてオープンした。「開店当時は住宅も少なく、あちらこちらに桑畑があった。周りには大型スーパーはほとんどなかった」と、相原二本松商店街の上原泰久会長は周辺地域の様子を振り返る。94年に忠実屋が(株)ダイエーに吸収合併された後、現在の「グルメシティ」に名称が変更された。
同商店街のメイン通りに立地していたことから、創業当時より同商店街の夏の感謝祭や、相原地区自治会連合会主催のふるさとまつりの主会場として、店舗駐車場を提供。ここ20年ほどの間は、同商店街との契約のもと、他店舗利用者も使えるように駐車場の貸し出しも行われていた。
また、二本松・相原両小学校児童の店舗見学や、内出中学校生徒の職場体験などの受け入れにも積極的に取り組んでいた。同店の市原伸昭店長は、「いろいろな店舗に勤務してきたが、ここはお客様との距離がとても近くアットホームな店で、よく声をかけてもらった」と振り返る。
市原店長によると、閉店の理由は「店舗の活性化」。開店から43年が経過し建物が老朽化したことや、近隣に競合店が増えたことで、「サービスを見直し、新しいものを取り入れることが必要」と判断されたという。
最終営業日となった3月31日。閉店時間の午後6時近くになると、従業員が総出で買い物客を見送り、最後の一人が店を出ると、店舗正面入口に整列。閉店を惜しむ利用客の前で市原店長が挨拶に立ち、「43年間、約20人の店長が襷を繋いで地域の発展に努めてきた。今後そのお手伝いができないと思うと残念。雨でも台風でも、いろいろな方が毎日のように来てくれて本当にありがたかった」と謝辞を述べた。
開店当時から同店を利用してきたという二本松に住む70代の女性は、「週に4、5回は買い物に来ていた。子どもが育ち盛りの頃は、ちょっと足りない食料があるとすぐに買いに来た。閉店すると寂しくなる」と話した。「この店で初めて売場責任者を任されたのを覚えている」と思い出を語るのは、近所に住んでおり、かつて同店でも勤務したことがあるというダイエー社員の佐野朝紀さん。「今日は最後の姿を見届けにきた」と感慨深そうに話していた。
商店街の上原会長は閉店をうけて、「非常に残念。創業時から商店街に協力してもらい、感謝している」と話した。
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