新型コロナウイルスの影響により最終学年での部活動が満足に行えていない中学3年生に思い出をつくってもらおうと、地元サッカーチーム・SC相模原(SC)が主催して10月25日(日)、元日本代表選手らで構成されるJ―DREAMSと、相模原市選抜中学3年生チームが対戦する「さがみはらドリームマッチ2020」が相模原ギオンスタジアムで開催される。同日はJ3公式戦も実施され、ホームタウン3市1町の中学3年生は2試合とも無料で招待される。
新型コロナの感染拡大で市内の中学校は3月から休校となり、部活動も休止に。毎年夏に行われる市中学校総合体育大会も今年は5月に中止が決定し、最終学年である3年生は3年間の集大成となる舞台を失った。
市や市民との対話の中で「中学3年生に思い出を残して」といった声を受けたSCは、サッカーを通じた地元活性化を目的に、元日本代表や芸能人などを招いて2014年から開催してきた「ドリームマッチ」を、今年は特別な形で実施することを検討。例年は相模原高校選抜などを対戦相手としているが、今回初めて中学3年生との交流試合を行うことにした。
この試合は、同日実施されるロアッソ熊本とのJ3公式戦の前座として行われ、2戦ともSCがホームタウンとする相模原市・座間市・綾瀬市・愛川町の中学3年生を無料で招待する。一般は当日の公式戦チケットで2試合観戦できる。
9月7日現在で発表されているJ―DREAMSの参加予定メンバーは、元日本代表の名波浩、中澤佑二、久保竜彦、巻誠一郎、中西永輔、都築龍太、波戸康広の各選手。今後随時発表され、サッカーに造詣のある芸能人なども招かれる見通し。さらにSCは、試合の合間などに同じく中学3年生による部活動などの取り組みを披露する時間を設ける考えも示している。公式ホームページを通じSCは「中学最後の年、3年生のみなさんとサッカーを通して最高の思い出を作りたいと思っています」と説明し、現在は試合の運営費や地域活動費などを募るクラウドファンディングを行っている。
相模原背負って勝負
中学選抜は、各学年とも市内各校の顧問らから推薦された選手で構成される。通常は新年度に更新されるが今年はコロナの関係で前年メンバーが残留。3年生は麻溝台、鵜野森、大野南、小山、上鶴間、新町、中央、藤野、弥栄、谷口、若草、大沢、大野台の13校から27人が名を連ねる。
3年チームを監督する弥栄中の大井雄太郎教諭(34)は、「本来ならば春夏に県内他地区の選抜と対抗戦をするのだが、今年は2月で活動が終わってしまった。今回の話は大変ありがたい。子どもたちも喜び、ドリームマッチへ向けて頑張る気持ちになっている」と述べ、「大人相手だが、せっかくの機会なので弱気にならずに勝負の場として挑んでほしい」と選手にエールを送る。
同校の佐藤拓実さんは3年チームを代表して取材に応じ、「自分たちは相模原を背負っている。相手はテレビで観ていたスーパープレーヤー。世界と戦ってきた人たちと試合をして、自分たちの力がどのくらい通用するのか、相模原のサッカーのレベルを上げるうえで良い経験になる」と話し、「試合に勝ちたい」と意気込みを見せた。
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