令和3年度優良PTA文部科学大臣表彰を受けた津久井養護学校PTAの会長を務める 佐藤 聡子さん 小渕在住
時代に合わせたPTAを
○…敬遠されがちなPTAの役員問題を打開するため、昨年度大幅な規約改正を行った。従来の固定委員会制度を廃止し、行事や議題に合わせ人手を募集する「サポーター制」を導入。子どものケアで長期的な役員は難しいけれど、少しでも協力したいという保護者が手を挙げてくれるようになった。「やりたいと思う人が主体的に動いた方がいい」。保護者のニーズに合わせた運営方法が評価された。
◯…知的障害があるが自立生活が送れる生徒もいれば、肢体不自由で毎日の送迎が必要な生徒もいる。保護者の負担も多様だからこそ、PTAの形も変わっていかなければならない。保護者が楽しく活動を続けていくためは「負担感を減らし、ピンポイントで人手を募ること」だと考えた。
◯…4歳のときに自閉症と診断された息子は高校3年生。学校が大好きで、毎日楽しそうに通う。「人とのコミュニケーションが難しい子なので、今日何があったのか、毎日の連絡帳がすごく大事」。思春期を迎え心配事は尽きないが、息子のちょっとした変化を話せば一緒に原因を考えてくれる教員たちがいる。「よく見てくれているな」。学校との二人三脚が支えになる。
◯…仕事は医療に携わり、日々福祉サービスの地域格差を痛感することも。移動支援事業(ガイドヘルパー)の派遣など、緑区は事業者の少なさからか希望のタイミングで受けられないことも多く、「困っているから助けを求めているのに」と肩を落とす。PTA改革の一環で始めた”みんなのサロン”は、そんな困り事などを保護者間で共有する大切な場。「障害の種類は違えど、少しでも将来の見通しがイメージできたら」。多様な子育てへの環境改善案は尽きない。