藤野地区で行われてきた「藤野ぐるっと陶器市」が3年ぶりに5月21日(土)、22日(日)に開催される。地元の陶芸家たちが一部オープンハウス形式で陶器を販売・展示するイベントで「作家にとって地域へ自身の活動を紹介できる貴重な場」と話す。前回開催の2019年には市内外から約8000人が集まった。
2000年から毎年開催されてきた陶器市。しかし、コロナウイルスの影響で2年連続中止に。今年は検温など、コロナ対策を徹底したうえで行われる。事前に藤野地区の各自治会に開催する旨を伝え、地域の意見を取り入れたうえで開催が決定となった。
同イベントの実行委員長を務める林正人さんは、「この2年間も我々は作品を作り続けていた。久方ぶりの開催でもクオリティが落ちることは無い。芸術を通じて地域を盛り上げていきたい」と意気込んでいる。今回は約60人の芸術家が参加。広場や大通りなど一カ所に作家が集まるのではなく、藤野全体に9カ所の会場を開設。芸術家の工房や店舗を一般来場者にオープンハウス形式で開放し、来場者に巡ってもらう。
また、地域の飲食店が協賛し、イベントのために店を開放する。
林さんは、「名前に市と付いているが、各作家が気持ちを込めた渾身の作品がずらりと並ぶ。作家の評論会としての側面もある。作品を買う人ももちろん多いが、陶芸品の鑑賞を目的として遠方から足を運ぶ人も多い」とにこやかに話す。
地元住民の懸け橋に
旧藤野町は第二次世界大戦末期に多くの画家たちが疎開の地として移り住み、数々の作品を残した。神奈川県と旧藤野町はこれらの経緯を踏まえ、1986年に芸術振興によるまちづくりを推進する「藤野ふるさと芸術村構想」を提唱。その後、「藤野ふるさと芸術村メッセージ事業」が展開され、町内に芸術家の展示物を多数配置するなど、「芸術のまち・藤野」として広く知られるようになり、全国各地から芸術家が多く移り住んだ。一番多い時期で100人以上が移住してきたという。
そのような中で同イベントは、移住してきたばかりの芸術家と地域の交流の場として始まった。林さんは「オープンハウス形式で陶器の販売を行っているイベントは全国でもとても珍しい。これは当時の芸術家たちが自分たちの作品制作について『もっと地元の人たちに知ってもらいたい』という思いを込め、より距離の近いものにしたかったという思いが込められていた」と話す。
圏央道開通による交通アクセスの向上や口コミによる認知度の高まりなどで、次第に来場者数、参加者共に増加し、今では地区最大級のイベントに成長した。
今年は午前10時から午後5時まで開催。当日は無料で会場と飲食店を回るシャトルバスが運行される。バスの運行表はイベントWEBサイト又は当日各会場にある運行表で確認を。
イベントの詳細、問い合わせは事務局【電話】090・3208・2962へ。
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