さがみはら緑区 人物風土記
公開日:2026.06.18
ヨロコビkitchenの主宰でBeauty Japan 2026 BAYで部門グランプリを受賞した 藤村 千佳さん 西橋本在住 36歳
「レシピ通りでなくていい」
○…「今の世の中はアレもコレもダメ。条件が多すぎる。それが子どものやる気を奪っている」とポツリ。主宰の料理教室は年齢も障害の有無も関係ない。レシピはあるが最後まで見せない。その分しっかり寄り添う。「作り方はみんな違う。手を動かして考えてほしい」。料理に挑む子どもを見て付き添う親はこう話すそう。「うちの子ってこんなにできるんだ」
○…転機はコロナ禍。長きにわたるステイホームで子どもたちを「満足させなきゃ」。この思いが自分を苦しめた。自閉症の我が子はおもちゃを買っても満足しない。神経が擦り減る毎日でふと「自分のために」と趣味のパン作り。興味を示す息子にもやらせてみた。すると、グチャグチャになったパンでも「できた」と喜ぶ姿にハッとした。「レシピ通りにやらなくていいんだ」。価値観が変わる瞬間だった。
○…橋本小、旭中、弥栄高で学び、音楽大学を経て市内の中学教師に。「きちっとやりたい」という性格が相まって「正しいルールに当てはめること」が教育と思っていた。しかし、育児を通して成功体験の積み重ねや挑戦が大切と実感。不登校が多い現状に「子どもの味方になりたい」と今は学校支援員として非常勤で教育現場に携わっている。
○…友人から「子どもと一緒にいるのが辛い」とコロナ禍に連絡が来た。「リモートで一緒に料理を作ろう」と呼び掛けた。それが好評で輪が広がった。「コロナでも学びは止めない」。その思いが教室開設のきっかけ。現在は自宅を会場に対面で開催している。イベントに参加するようになり、地域でのつながりが増えた。「今後は子どもの学びの場を広げていきたい」。視線の先にはいきいきと育つ子どもたちの姿が見えている。
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