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町田 人物風土記

公開日:2014.07.10

町田リス園の新園長に就任した
樋口 健治さん
67歳

動物と人”繋がる”場所へ

 ○…昨年25周年を迎えたリス園に新しいリーダーがやってきた。会社員、米国生活、庭師、経営者―。そのキャリアを活かせればと、同園から依頼を受けた。「今までみんなが作り上げたものを基盤に新しい風を取り入れていけたら。まずは1年間。少しでもいい園に進化させていきたい」と意気込みを語る。21人の生産者と10人の職員とともに新しいリス園の未来への幕開けとなった。

 ○…動物好きは昔から。なかでもニホンイシガメ(絶滅危惧種)は友人を集め「カメカメ会」を結成、繁殖など保護活動にも取り組むほど。「小動物は声を出さないでしょ。でも懸命に生きている。かわいいよね」と柔らかい眼差しで語る。2時間かかる園への通勤も苦にならない。「ココが本当に好きになった。みんな明るくて真っ直ぐだよ」といい「カメもいたしね」と冗談交じりに付け足す。

 ○…大学卒業後は外資系企業に務めるが、日本での生活にどこか閉塞感を感じ25歳で渡米、以降10年間サンフランシスコで庭師として働く。”広い世界”を見た後に帰国、日本でブライダル会社を起業することに。「当時はまだレストランウェディングは少なかった。チャンスだと思って」。会社は間もなくバブルの波にも乗り大成功。順調に大きくなるが、バブル崩壊とともに徐々に景気が悪化。経営者のポストを後任に任せることに。「一時は『どん底』みたいな時もあったね」と振り返る。そこから這い上がることができたのは周りの人のおかげで、もらった言葉は自身のモットーになった。「全く打つ手がない困難な時こそ”諦めない”という一手がある」

 ○動物を通して人と人が繋がれる場所―。リス園の魅力をそう語り、もっと多くの人に知って欲しいという。得意の英語力を活かし6年後のオリンピックを見すえて外国人観光客へのアピールも計画中。常に明るい笑顔の「園長さん」の挑戦が始まった。

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