自然案内人「プロ・ナチュラリスト」として国内外で自然観察会を開く 佐々木 洋さん 金井在住 54歳
自然への扉を開く
○…全国の小学校や幼稚園で「自然解説」を行い、独特の表現と口調で自然の大切さ、魅力を伝える「プロ・ナチュラリスト」(自然案内人)。数少ない職業の第一人者でNHK教育番組やラジオ、多数の著書などで精力的に活動する。「子どもたちの本質は変わらないと思うんです。自然の中のちょっとした出来事で笑顔になる」。はじめは汚れるのを嫌がっていた子も、魔法をかけられたように”隊長”と一緒に自然を楽しむ。
○…一番古い記憶は植木鉢の下のダンゴムシ。幼少時代は生き物に朝から晩まで夢中になった。「周りの大人たちは止めなかったので毎日泥んこでしたね」。思春期にはイメージを隠し「隠れナチュラリスト」として活動したが、大学生になった頃に幼少期の故郷を訪れ衝撃を受ける。「原っぱや雑木林の多くが駐車場やビルになっていたんです。なんとかしなきゃって」。”大切な遊び場”を守るためには、署名活動などでなく自然のファンを増やすことが近道と考えた。塾講師や出版社で働きながら本を読み漁り、研究者に師事。ボランティアで自然観察会を開く毎日がはじまった。
○…休みもほとんどない現在は「好きな事をやっているのでとても楽しい」。10年ほど前にやってきた町田は美しい里山がお気に入り。「大好きなタヌキは『マチ(町)ダヌキ』って勝手に呼んでいます」とニッコリ。これからの季節は「バードウォッチングがおススメ。山から降りてきた鳥に渡り鳥も葉が落ちて見やすいんです。暖かい恰好で出かけて欲しいですね」
○…『世の中には色んなものがある』。子どもたちが小さな虫を見つけた時は、その違いと種類を丁寧に話す。大切に観察していた植物が枯れてしまうときは『思い通りにならないこともある』と伝える。それから生き物と同じで『何一ついらないものはない』ということも。自然と子どもたちの間に立ち、日々メッセージを送り続ける。
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