創設して45年、町田少年少女合唱団の主宰として子どもたちに合唱を教え続けている 土居 通眞(みちまさ)さん 忠生在住 83歳
「音楽がつなぐ地域、家庭に」
○…成長期の小学生、中学生、高校生たちに「合唱音楽の美しさと規律ある集団生活の中の行動を経験させながら、情緒豊かな感性のある人間に育てる」ことを目的に設立。昨年45回目の定期演奏会を終え、更なる歩みを進めている。しかし一時は120人を超える団員がいた合唱団も少子化の波に押され、現在の団員数は一桁。少数ながらも音楽性の優れた合唱団に向上すべく指導する日々だ。
○…大学を卒業してすぐ、都立の中学校で時間講師として働く傍ら藤原歌劇団に所属し、オペラのステージを踏んだ。そして結婚。奥様は同じ音楽大学で声楽を学んだ仲間だった。生活安定のためにと公立教師の採用試験を受けた。中学教師となり17年が過ぎた1975年、新設校だった本町田中学校へ転任。開校プロジェクトチームに関わり、校歌の作曲も行った。その後も教育研究を重ねていく。最後は世田谷区の中学校で定年を迎えるもその後5年間、嘱託で教師を務めた。「先日教え子の還暦祝いに呼ばれて行ったよ。教師冥利につきるよね」。教師生活に捧げた半生。3人の子どももみんな音楽の教師になっている。
○…次男誕生を機に町田に。当時の町田はまだまだ「未開の地」。「そこで暮らす児童の詩がとても素朴で、素晴らしく感じた」と懐かしむ。当時町田市で小学生の詩を集めて発行していた「まちだの子」から、児童合唱のための組曲「町の子の原っぱ」を作った。その楽譜を市内の小・中学校全校に寄贈し、市の教育史にも取り上げられた。
○…現在は明治から大正、昭和、平成とどういう曲があるかを研究している。「何かを調べたり、データを取るのが好きで」。団員に配る冊子「合唱団ニュース」も自分で編集している。「今の歌は指導するのが難しいね。起承転結がバラバラだし。やはり子どもが歌えるもの、歌い継がれてきた童謡や唱歌など、古き良き歌を大事にしたい」
|
|
|
|
|
|