町田版 掲載号:2017年5月4日号 エリアトップへ

"のらくろ"と滑稽画 町田市立博物館

文化

掲載号:2017年5月4日号

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歌川國芳 み可けはこはゐがとんだいい人だ(江戸期)
歌川國芳 み可けはこはゐがとんだいい人だ(江戸期)

 身寄りや頼りのない捨て犬の野良犬黒吉がへまな失敗を繰り返しながらもやる気いっぱいに生きていく漫画”のらくろ”は、昭和6年「少年倶楽部」1月新年特大号から連載がはじまりました。ブル連隊長率いる猛犬連隊に入隊したチビでやせっぽちののらくろはそれでも手柄をたて一等兵、上等兵となり、やがて大尉にまで昇進していきます。ひたむきで、滑稽で、そして時にペーソスを感じさせるのらくろの活躍や姿は子どもたちに人気を博し、10年以上にわたる長期連載となって一世を風靡しました。

 この”のらくろ”のほかにも”蛸の八ちゃん””凸凹黒兵衛”など次々と人気漫画を描いた作者の田河水泡(本名・高見澤仲太郎1899―1989)は東京市本所区林町(現・墨田区立川)に生まれ、町田で晩年の20年間を過ごしました。芸術家肌だった伯父の下で育てられ、美術に関心をもった水泡は召集によって軍隊生活を経験した後、日本美術学校図案科に入学し前衛美術団体の「三科インデペンデント」に出品したり、前衛グループ「MAVO」に参加したりするなど美術家として活動・発表をおこないます。しかし「MAVO」が解散し学校も卒業となって生活費を得るためにとはじめたのは新作落語を書くことでした。水泡は高澤路亭のペンネームで落語作家となります。やがて絵も描けるのだからと編集者にすすめられたことから漫画の世界に入っていきました。

 それから長いこと滑稽を創る仕事に携わってきた水泡は面白いと思った話のメモや漫画の切り抜きを集めながら、その整理をするためには滑稽がどんな構造で組み立てられているか調べてみたいと思うようになりました。研究は一冊の本にまとまり、「滑稽の構造」(1981、講談社)として実を結びました。また、日本滑稽史の発生を探ろうとすすめた研究は「滑稽の研究」(1987、講談社)となって世に出されました。その後、滑稽研究の素材にもなった「軽筆鳥羽車」をはじめとする鳥羽絵・木版漫画本類、歌川國芳・小林清親・河鍋暁斎らの戯画・風刺画、鯰絵、子供遊絵、岡本一平の似顔絵類などのコレクションは町田市立博物館へと寄贈されました。本展では、田河水泡の足跡と研究をたどりながら水泡の愛した滑稽画コレクションについてご紹介いたします。

    【学芸員・今井圭介】

【”滑稽探索”田河水泡の研究とコレクション展】

会期:2017年年11月18日(土)〜2018年1月21日(日)※会期中入替あり

会場:町田市立博物館

問合せ【電話】042・726・1531
 

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