2020年の東京パラリンピックから正式競技になるパラバドミントン――。パラスポーツの普及にも力を入れる町田市がその取り組みの一つとして今年行なった大きなものが、9月に町田市立総合体育館で開催したパラバドミントンの国際大会だ。世界バドミントン連盟の公認大会として、日本で初めて行われた大会で世界29の国と地域からトップクラスの200人近い選手たちが出場。メインアリーナ、サブアリーナを使い国内外のトップ選手が白熱した試合を4日間に渡って繰り広げた=写真(町田市提供)。大歓声を味方につけて勝ち上がった日本の選手たちは国内初の国際大会で金メダルを3個の快挙を成し遂げた。
パラバドミントンとは
「パラバドミントン」とは身体障がいを持つアスリートがプレーするバドミントン競技。近年はアジアやヨーロッパを中心に国際的な注目を集めているスポーツ。特にアジアの競技レベルが高く、中でも韓国、中国、インドネシア、インド、タイなどが強豪国として知られ、日本もトップレベルの競技力を誇る。クラスは車いす、下肢障がい、上肢障がい、低身長など6つに分けられる。各カテゴリーでコートサイズなどが変わるが、ラケットやシャトル、ネットの高さは通常のバドミントンと同じだ。
選手たちは障がいに合わせたさまざまな工夫で自分たちの強みを生み出す。試合は選手たちに障がいがあることを忘れてしまうほどアグレッシブで観戦している側も熱が入る。
町田市はパラバドミントンとの関わりが深く、昨年1月に続き、来年1月23日(火)〜26日(金)にパラバドミントンインドネシア代表と日本代表の合同合宿を招聘(へい)している。会場は総合体育館でインドネシアからコーチ2人、選手9人が来日する予定。日本代表も約40人(内車いす選手約10人)が参加する。
子どもたちとふれあい
町田市はパラスポーツ体験イベントの一つとして、今年の6月から来年2月までパラバドミントン体験を希望する市内6つの小学校を対象に体験会を実施している。パラバドミントンの日本代表選手による実技指導が行われ、参加した子どもたちと一緒に汗を流す。選手とふれあい、身近になった子どもたちは試合会場にも応援に駆けつけた。
女子車いすWH2クラスの決勝で、世界ランク1位の選手に逆転勝利して優勝した山崎悠麻選手も小学校での実技指導に参加した選手の一人。試合後は子どもたちのところまで来て「あなたたちの応援があったから金メダルを取れたよ」と声をかけた。トッププレーヤーの本気の試合を目の前で見ただけでなく、自分たちの応援が力になったと知った子どもたちは大きな笑顔を浮かべて応えた。
体験イベントを多数実施
今年はパラバドミントン以外にも、パラスポーツの体験イベントが市内各所で行われた。
7月には町田市立陸上競技場で開催された関東パラ陸上選手権大会において、パラ陸上体験として車いす走体験と目隠し走を実施。8月は総合体育館で開かれた全日本車椅子バスケット大学選手権において体験会を行った。車椅子バスケット選手が講師になり、約30人が参加した。「これからも市として障がい者スポーツの普及に力を入れていきたい」と担当者は話す。
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