長泉寺の副住職で町田市仏教会の会長を務める 小川 洋一さん 小山町在住 62歳
穏やかな口調で真理語る
○…市内にある45のいろいろな宗派の寺院の住職と副住職で構成される町田市仏教会。副住職の立場としては初の会長に就任。お釈迦様の生誕を祝い4月に会が主催する「花まつりの集い」に向けて準備を進める。「この機会に多くの方に足を運んでもらえたら」と穏やかな口調で話す。
○…現在、長泉寺の住職は父親。その前は祖父が担っていた。自身もこの道へとは「まったく考えていなかった」。大学は法学部に進み、会社員になった。2年に一度の転勤で各地へ赴任し、15年勤めた後、父の説得に応じてお寺に戻る。学校に入り直し、念願だったサンスクリット語を学ぶ。「法学部のときにネパールとインドを旅行し、そこで譲られたお経の本を自分で読んでみたかった」。しかし、学んでみるとチベット語で書かれていたと笑う。
○…月に一度、高齢者施設でボランティア活動をする。入居者を前に仏教の話しをしたり、坐禅を組んだり。しっかりと準備し、うまく話しができたときは立ち上がって拍手が起こり、見送りにも来てくれる。充実した気分を味わい、心が満たされる瞬間だ。今春、10年続けてきたこれまでの話しをまとめて念願の本を出す。息抜きともいえるのが畑仕事。季節の野菜などを作り、妻に見せたくてピーナツも育てた。「落花生の花から種が地面に落ちるように伸びるのですよ」と話す。高校時代から続ける短歌も趣味の一つ。今も新聞などへ投稿を続ける。
○…宗派に関係なく、多くの寺院の代表が集まる「花まつり」。昨年の法要の後の法話では各宗派に別れる以前のものである「法句経」を読んだ。これはパーリというインドの言葉で書かれた「ダンマパダ」というお経で「真理の言葉」の意がある。会長として特定の宗派に偏らないよう気遣う。「先人が口伝し、書き残してくれたお釈迦様の言葉。今日まで伝わっていることに感謝し、その思いを多くの人に伝えたい」
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