50年を迎えた町田木曽団地をテーマにした巡回写真展を開いている 工藤 剛史さん 松戸市在住 33歳
団地の魅力を1コマに込め
○…どこにでもあるような日常の風景。1年をかけて、団地に暮らす人々の生活を瞬間的に捉えた。写真の中から笑い声が聞こえ、においまで感じられる――カメラの持つ機能だけではけして写すことができない1枚。「団地という特別な空間。その中に流れる時間とどこか懐かしく、情緒ある団地の魅力を伝えたい」。レンズを向けた相手を緊張させない、まるで空気のように人々の中に自然と溶け込む独特の雰囲気が持ち味だ。
○…学生のころからウエディングフォトグラファーとして活躍。カメラ片手に世界をバックパッカーとして放浪し、人々の写真を撮り歩いた。帰国後に独立し、現在はウエディングをはじめ、建築、広告、ときには大型客船に専属カメラマンとして同乗するなど、幅広い分野で活動する。
○…祖父母の家が相模大野にあり、この地で4年近く一人暮らしもした。町田はよく出かけた馴染みのエリア。写真を始めたのは学生時代。「自分の趣味というよりも、被写体となる友人たちが喜んでくれることが嬉しかった」。写真家として風景や物ではなく、人を撮ることに魅力を感じる原点はここにある。
○…「面白い人を撮れば、面白い写真が撮れる」が信条だ。「団地に住む人たちは楽しんで暮らしている。みなさんが喜んで協力してくれた」。突然声をかけても、ほとんどの人が温かく迎えてくれ、優しく接してくれたと振り返る。ふれあいの中で「撮影自体が面白いというより、撮影を通してさまざまな団地の魅力を教えてもらうことができた」。日常を切り取った1コマの中に広がる世界。写真展に足を運ぶ人たちに「団地に住む人々の生活というものを感じてもらいたい。住んでみようかなと興味を持ってもらえたらうれしい」
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