町田版 掲載号:2019年6月13日号 エリアトップへ

今年度から町田市立国際版画美術館の館長に就任した 大久保 純一さん 印西市在住 60歳

掲載号:2019年6月13日号

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「版画」、その名を背負って

 ○…浮世絵について、ずっと長い間考えてきた。『カラー版 浮世絵』(岩波書店)や『広重と浮世絵風景画』(東京大学出版会)などの書物を上梓し、跡見学園女子大学で教鞭を執った後、国立歴史民俗博物館の教授を務める。「近世日本美術」の道を、約40年間第一線で走り続けてきた。今年4月、浮世絵のコレクションでも有名な町田市立国際版画美術館の館長に。「とくに、歌川広重と葛飾北斎に魅せられてきました。世界的に見ても、かなり特徴ある、魅力的な画家です」

 ○…徳島県に生まれる。学生時代は文学少年で、夏目漱石の作品に描かれるような「東京」に憧れた。「都会に行きたいという気持ちが芽生えてきました。『三四郎』に出てくる地名や建物を実際目にすると、とても興奮しましたね」と大学時代を振り返る。本と戯れる日々を過ごし、美術の世界に目を向けるようになった。大学院を修了し、本格的に浮世絵を専門として活動の幅を広げた。

 ○…現在は千葉県に居を構えている。「版画美術館に来るのに、実は2時間半かかるんです(笑)でも、その時間はゆっくり本を読むことに充てています。いまは、一週間のなかでも貴重な時間ですね」と話す。「ちなみに娘が東京の大学に通っていて、『遠い』と4年間文句を聞かされましたが、今ならその気持ちが分かります」と目を細める。

 ○…まずは、版画美術館をもっと市民にとって近い存在にすることを目指す。「有料の企画展はもちろん、ユニークなものにするとともに、無料の常設展の魅力も押し出したい。どなたでも一流の版画や美術作品を楽しむことができます」と熱く語る。市内学校の生徒作品展や併設されている工房にも熱視線を送る。「他の施設に携わったからこそ分かる魅力を、もっと伝えていきたい」

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