町田版 掲載号:2020年8月13日号 エリアトップへ

町田市立博物館より45 学芸員は鉛筆がお好き 学芸員 佐久間 かおる

掲載号:2020年8月13日号

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 タイトルどおり、学芸員はシャープペンシルやボールペンよりも鉛筆が好きです。あの六角形の各面に番号を書いて、試験の答えを当てていた懐かしい思い出もある鉛筆ですが、学芸員が全員そんな想い出で鉛筆を愛用しているわけではありません。ちゃんとした理由があって使っているのです。

 第一の理由は資料に傷をつけないためです。博物館には木、紙、布など様々な材質で出来た資料がたくさんあります。その資料を扱う際、学芸員は細心の注意を払います。メモを取る時も、シャープペンシルの折れた芯が飛んで資料を汚したり、ボールペンのインクの染みが資料についたりしないよう、鉛筆を使うのです。ただし鉛筆でも尖りすぎていると資料に傷をつける恐れがあるので、ほどよい尖り具合で使っています。

 また、鉛筆は水にも強い優れものです。以前、他館の水濡れの被害にあった紙資料を扱った時、資料に書かれていたボールペンの文字は水でにじんで読めなくなっていましたが、鉛筆の文字は問題なく読むことが出来ました。

 鉛筆の他にも資料を傷つける可能性のある指輪や腕時計などの装飾品は、必ず外して資料を扱います。爪も同じく資料を傷つけたり汚したりしないように短くし、マニキュアも剥がれて資料を汚さないように着けません。私がマニキュアを着けていたのははるか昔の学生時代だったでしょうか。

 鉛筆が万能というわけではありませんが、学芸員は出来る限りの方法で博物館資料を大切に扱う努力をしています。学芸員が鉛筆を使っている姿を見たら、資料のためなのだと温かい目で見守ってください。ちなみに筆者は4Bの鉛筆が好きです。
 

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