町田版 掲載号:2021年5月20日号 エリアトップへ

町田天満宮 宮司 池田泉 宮司の徒然 其の76

掲載号:2021年5月20日号

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マヤランの平穏

 散策も控えめにしている昨今、(自分勝手に)行きつけにしている小山田緑地も都立公園なので駐車場が閉鎖されていると聞いたし、七草のホトケノザ(コオニタビラコ)を採りに行った谷戸も、散策したりレジャーシートでお弁当を広げて楽しむ家族連れが増えているらしい。繁華街へ飲食に出かけるのは我慢できても、私にとって一番リフレッシュになる静かなやぶ歩きができないなんて、コロナ禍はなんとも生きづらい。

 里山にかれんにひっそり咲くマヤラン(摩耶蘭)は、葉を持たない菌従属栄養植物、つまり土中の菌に寄生して生きる光合成をしない植物。酸素を作らないから人間とのつながりは可もなく不可もなし。採取して持ち帰るにも、土の菌とつながっているから、ごっそり土ごと採らないと枯れてしまう。見つけたら鑑賞するだけにしておこう。こんなランでも清楚(せいそ)にひたむきに生きている。意味なく生きているわけじゃない。可もなく不可もなく、でも日々幸せに生きたい一般庶民のわれわれに似ている。

 オリンピック・パラリンピックは中止の声が増加する中、淡々と準備が進んでいて、このまま実施してしまうのだろうか。中止にした場合、放映権などの賠償金は日本が払うことになり、その額は1500億円。IOCは知らん顔。競技施設に膨大なお金をかけたあげくに賠償金まで払わされるとなれば、国も都も考え込んでしまうということか。万一の感染事故のリスクが想定されるなら、国民とアスリートを守るために1500億円の税金を投入しても仕方がないのではないかとも思う。このまま強行して「何も起こらなければ結果オーライ」ではまさに綱渡りだ。

 やぶの中は大きな雑木に包まれて渡る風も穏やか。マヤランはその風を受けて少し揺れる。可もなく不可もなく、木に囲まれ土に育まれ、わずかな木漏れ日を受けながらかれんに咲けることが幸せ。ストレスと言えば私がカメラを構えてニヤニヤ見ていることくらい。これ以下もこれ以上も求めない平穏。長いコロナ禍で人が今一番求めている平穏な生活。リスクを背負ったままのオリ・パラは求める平穏ではなく、ストレスのはけ口になってしまわないか。
 

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