一般社団法人ものづくり文化振興協会の会長を務める 土井 康作さん 旭町在住 68歳
広めたい、ものづくりの奥深さ
○…ものづくりで「地域が活きる」――。ものづくりを通じて人を育てる、「ものづくりチャレンジ」の実行委員会を統括する。学生が今の学びを社会に還元し、専門家が持っている技を地域に提供してもらうため地域に眠る人・機材・施設を掘り起こす。まちだ○ごと大作戦を活用して行うイベントは3回目を迎え、地元町田だけでなく鳥取や熊本、京都など全国、さらにはイギリスからの参加があるなど、その広がりに目を細める。
○…東京学芸大大学院教育学研究科修了の博士(教育学)で鳥取大学名誉教授。専門は技術教育学で市内では市立成瀬台中や和光中で技術科教師を務めた。小・中・高校を合わせても、学校教育ではあまりにもものづくりにかける時間が少ないと憂う。「きちんとナイフを扱えないんです」。日本の技術低下を防ぎたい思いが強まる。
○…ものを直して使うより買った方が良いという風潮がまかり通り、ものを大切にしない子どもたち。道具がない家庭もある。「子どもは遊びが好きなので、イベントでは遊びをものづくりとして取り上げます」。例えばバルーンカー。どうすれば速く走らせられるか。左右に曲がるにはどうすれば。作って終わりではない。どんどんチャレンジして失敗することが学びに繋がる。「我々がするのはその後押しです」と力を込める。
○…生まれは岡山・備中高梁。田んぼの中でチャンバラごっこに興じた幼少期。ナイフ一本で自分で遊び道具やおもちゃを作った。それが半世紀以上長くものづくりに携わる礎となっている。教員時代に出会った妻との間には3人の子ども。しっかりと血は受け継がれているようで「最近は、孫から凝った折り紙作品が送られてくるんだ」と破顔する。
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