町田天満宮 宮司 池田泉 宮司の徒然 其の80
誘 導
普通のカタバミや葉の赤いアカカタバミはいずれも小さいが、ムラサキカタバミは葉も花も数倍大きい。同じ仲間だとしたら明らかに怪しいと感じ、調べてみたらやはり江戸時代に南アメリカから観賞用に持ち込まれた帰化植物だった。野生化して繁殖旺盛、しかも駆除が難しいという外来種にありがちな特徴を持つ指定要注意植物。でも人間界の要注意人物ほどの危険性はないし、元々観賞用だから花も咲きそろうときれいだし、子どもの頃から普通にあったから、なんてことはない雑草だ。小学生の頃、葉っぱを茎ごと抜いて、葉のすれすれのところで茎を折り、そっとつまんで下に引っ張り、皮を取って中のスジだけにして=写真右下、相手と1本ずつ持って絡ませて=同左上、引っ張り合って切れた方が負け=同左下、という遊びをしたことを思い出す。一人で二本作ってやってみた。本来は二人でやることだから、一人でやると勝つのも負けるのも自分。わびしいことがわかった。
コロナワクチン接種はあくまでも任意で強制ではないのに、政府やメディアではあたかも打つことが当然のように誘導している。そもそも特例承認とは安全性や対処法が確定する本来の治験期間を前倒ししたもので、つまり世界的に現在進行形で治験が行われていること、簡単に言えばぶっつけ本番だ。殊に薬やワクチンなどに対して、諸外国よりも石橋を叩いてきた日本。やはりオリパラと経済優先にシフトしていることは否めない。だから副反応のリアルな報道も「コロナとの因果関係は調査中」とされるのが精いっぱいの返答で、その間も治験のデータとして蓄積されていく。例えば50代の健康な男性がワクチン接種数日後に突然死したことが報じられたが、これもワクチンとの関連性不明でその後のことは分からない。治験の一症例としてデータ化されるだけだとしたら、残された家族にとってはあまりに残酷で悲しい。オリンピックの成功と経済の立て直しのため、逆風は右から左へ受け流すと決めたようだ。しかし、家に高齢者がいるとか、高齢者と接する機会が多いとか、田舎の祖父母に会いたいから、大学で対面授業や実習をしたいからという理由で打つことは間違っているとは言えないし、ある程度様子を見てから打つと考えることも正しい。だからこそ、接種した人としない人で差別することは浅はかだ。任意とは個人の判断に任せるということなんだから。私は60歳を越えているし、仮に遺伝子に影響があっても差し支えないから、リスク覚悟で治験に協力する気持ちで打つつもりだ。ただし、若者や子どもについては慎重に考えるべきかと思う。一方で、早期の集団免疫獲得は生活する上で必要と考えるから、打って当たり前のように誘導されていることに疑問を持ちつつ、接種に賛成なのか反対なのか悩ましい。
ムラサキカタバミにしてみれば、南アメリカから人間によって強制的に日本へ連行されてきて、もちろん治験なんてないから、厳しい冬がある日本で生きられるかどうかもわからない。幸い生き残ることはできたが、もしかしたら人間の横暴を恨んでいるのかもしれない。植物に任意はない。せめて連行される場所の環境くらい教えてほしいと思っていたかもしれない。商業的な移動や人工交配、遺伝子組換えだとか、人間が自然の営みに手出しするのはどうかと思う。拡散し変異していくコロナは自然の産物で、人間だけが不自然なふるまいをしていることも皮肉な話だ。
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宮司の徒然 其の137町田天満宮 宮司 池田泉12月21日 |
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