町田 コラム
公開日:2021.07.22
町田天満宮 宮司 池田泉
宮司の徒然 其の82
一薬
検診のため義父を病院まで送ったついでに、久しぶりに大沼の森に立ち寄った。あいにくの雨模様で時折突風で木立が怖いくらいに波打ち、小雨を遮ってくれていた葉からまるで土砂降りの雨が落ちる悪条件。それでも悪条件だからこそ、ほとんど散歩している人もなく密は避けられるから安心。肩と足元をぬらしながら三つ葉アケビや五葉アケビが混在し、ハンショウヅルが負けじと絡み、おまけにモミジイチゴがズボンに絡むやぶは楽しい。そして久しぶりに来たこの森で一薬草(イチヤクソウ)に初めて出合った。ドクダミはたくさんの薬効があり十薬とも呼ばれるが、イチヤクソウも同様に薬効は多い。「これ一つでいろいろな病気などに効く」ことから一薬草と名付けられた。調べてみたらどうやらマルバノイチヤクソウと思われるが、ツツジ科に属しているのは意外だった。
ワクチン接種がおおむね行き渡っても、抗体が体内に作られる率は95%と言われているから、単純に100人に5人は抗体ができずに、ともすれば感染してしまうということか。インフルエンザワクチンの抗体保有率は5割とも6割とも言われているから、ワクチン接種したのにかかったという人も少なくない。ただしインフルエンザには薬がある。コロナにはまだ薬がない。薬ができない限りはマスク生活は終わらないのかもしれない。抗体を持っていても保菌者にはなるし、感染させてしまう可能性もあるのだから。特効薬は世界中で開発競争をしているが、できあがるのはいつだろう。かかってもこの薬を飲めばじきに治るよ、という画期的な薬が早くできないだろうか。
私は密かに絶滅を危惧されているような植物から、コロナを撃退する成分が見つからないかと期待している。そうなれば、イチヤクソウのように例え花が小さくて地味だったりしても、ドクダミのように例え匂いが日本人好みでなかったとしても、きっとこぞって保護し、増やしてくれるに違いないから。コロナだけに効く一薬でいいから。
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