初となるアガサ・クリスティの法廷劇に一人芝居で挑む ホースボーン由美さん(本名 竹川 由美) 能ケ谷在住
人生は舞台。人は大根役者
○…”世界一小さなシェイクスピア劇場”を主宰する姉の渡邉優子さんのもとで、原作を脚色し舞台を演出して主演を務める。名前につけたホースボーンには演出家として駆け出しのころに「どこの馬の骨ともわからない」という自虐の意味を込めた。今回、初の公演となる英国ミステリーの女王アガサ・クリスティの法廷劇に思い切って一人芝居で挑む。
○…東京・恵比寿に生まれ、姉と一緒に「ごっこ遊び」に明け暮れ、漫画家を夢見る少女は小学生のときに見た宝塚に憧れた。「背が高かったので中・高校の演劇部では男役を買って出た」。劇団四季の観劇がきっかけである俳優に夢中に。高校卒業後に同劇団の研究所に入り、一緒の舞台に立つ目標も叶えた。劇団で3年を過ごした後はダンスの道へ。ニューヨークへも行き、所属した集団では「バックダンサーとして聖子ちゃんやトシちゃんの後ろで踊っていました」と懐かしむ。
○…26歳で結婚し、2人の子を育てていた期間は母親業に専念。子どもの手が離れたころ、姉の誘いでロンドンを旅してロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの公演を見て心に火が付いた。「本場の『マクベス』に衝撃を受け、本当にやりたかったことがわかったんです」。シェイクスピア専門の劇場を開いた。
○…マクベスの名言「人生は舞台。人はみな大根役者」を地で行く。行動力の塊のような性格で人生を切り開いてきた。2年前から現在の場所に拠点を移し、定期的に公演を行う。「思えば高校生のとき、現代を舞台にしたマクベスの脚本を書き、演じたことが原点かも」。大きな舞台に立ちたいとは思わない。「昔のアングラみたいに、小さくてもどこよりも面白いシェイクスピアを演じていきたい」
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