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町田 コラム

公開日:2022.08.25

町田天満宮 宮司 池田泉
宮司の徒然 其の110

オカトラノオ



 6月、里山の斜面にオカトラノオが咲く=写真左。虎の尾のような曲線を描く花が集まった尻尾は、みな同じ方向に倒れて咲く=写真右。真っ直ぐ伸びればいいのに何故横向きなのか、これでは下の花が損ではないかと思っていたが、よくよく見たら観察不足だった。下の花は柄が曲がって全部上を向いていた=写真中央。近縁種のヌマトラノオは真っ直ぐ上に伸びているのに、どうして倒れたのか。



 稲も似たような話があって、品種改良の中でたわわに実る稲が作られたが、実りすぎて稲穂が地面にくっついてしまうため失敗作とされた品種があった。ところが、研究者の一人が栄養分の少ない土で試したところ、その新品種は立派な稲穂を実らせ、しかも育ちすぎて稲穂が土に倒れ込むこともなかった。当時は稲作に適さないとされていた新潟県で、その新品種を試したところ大成功し、それが現在の有名な米、つまり越後に光りをもたらしたから越光(コシヒカリ)となったとか。オカトラノオも同様に進化の途中で、花の数を増やし過ぎたのではないだろうか。それが証拠に花が終わると少し立ち上がって来る。やはりお前たちは真っ直ぐ上に伸びたいんじゃないのか?と指でツンツンして尋ねてもオカトラノオは知らん顔。ほっといてくれと言わんばかりだが、みんな同じ方を向いているから微笑ましい。



 選挙のたびに思うこと。日本の偉い人たちが皆違う方を向いてるのを再確認。

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