東京都指定認知症疾患医療センターのセンター長を務める 小松 弘幸さん 真光寺町在勤 44歳
「備え」が人の未来をつくる
○…団塊の世代が後期高齢者になる2025年、国民の5人に1人が75歳以上となり、65歳以上が人口の3割を超え「超々高齢社会」を迎える。「社会の中で、少しずつ認知症の早期診断・治療、多職種連携によるい共生の土台が形作られてきた。これからは認知症の予防のステージ。問題が生じる前の積極的な早期発見に取り組みたい」と力を込めて話す。
○…静岡県御殿場市で生まれ、高校卒業まで過ごす。「根っからのインドア派」。高校は帰宅部で、「色々と無気力だった」と振り返る。父親の死も重なり、社会貢献ややりがいを見つけるために医師を志す。金沢医大に入学。精神科医になったのは「刺したり切ったりが好きじゃなかったから。しゃべる治療に向いているかなと思って」
○…卒業後は順天堂医院の医局に入る。高齢医療センターに配属され、認知症や高齢者医療を専門に研究。32歳で鶴川サナトリウム病院へ。「病床数が多いな」というのが第一印象。地域の高齢者支援センターや市役所からの要望や相談も多く、地域に根付いていることも実感した。
○…オフの日の2歳の「ワンコ」の散歩やトリミングが癒し。「毎朝5時からと晩御飯の後に一緒に近所を歩いています。時には愚痴を聞いてもらったり」とほほ笑む。妻は小児科の開業医。自身もそこで週一日、発達障害の子などを診ている。子どもは3人。母親、祖父母とも同居する。4世代の大所帯。祖父は98才で認知症患者だ。一緒に暮らしているから介護者や家族の気持ちがよくわかる。「自分ももう中年。認知症のリスクを高める『生活習慣病』の予防が大切だということを身を持って知らせていきたい」。「備え」が人の未来をつくると呼び掛けながら。
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