町田 人物風土記
公開日:2022.09.29
読売新聞社と中央公論社主催のエッセーコンテストで大賞を受賞した
川原 正路(まさのり)さん
野津田町在住 46歳
優しい気持ち、言葉で紡ぐ
○…介護と医療の連携を目指し開設されたKISOコミニティベース(木曽西)にケアマネジャーとして勤務している。大学卒業と同時に飛び込んだ高齢者福祉の世界。志すきっかけとなった話をエッセーにしてコンテストに応募すると、大賞を受賞。読んだ人から「泣けた」「励みになった」という感想が届き、感激している。
○…書いたのは、高齢者用のオムツを届けに、3週間ごと訪れる自分を待っていた”Kさん”とのエピソード。ある日配達するとKさんは3日前に亡くなっており、押し入れに使っていないオムツが詰め込まれていたのを見つけた。「寂しかったんだな、と心に残った。祖父母と暮らした自分には、寂しい高齢の方がいることを想像できていなかった」と、大学生当時の自分を振り返る。
○…鹿児島出身。自閉症の兄と両親と祖父母の3世代で暮らした幼少期。兄の療養のため小3で千葉へ。当初は兄の存在を隠していたがある時開き直り、休み時間ごとに特別支援学級へ通うように。障害のある友達の方が多くなっていった。高校生のころ棋士を目指したのも、兄のために家でできる仕事を求めたから。将来は障害者福祉に携わることを想像していたが、Kさんと出会い急転換。今に至る。
○…つらい気持ちを癒してくれたのは文学だった。知的障害がある息子を持つ大江健三郎の文章に救われた。自分も苦しんでる誰かを救いたいと小説家を目指したことも。「どんな本でも、ちょっと目を通すだけでいい言葉がたくさんある。悩んでる人の癒しになる」と文学への信頼は厚い。最近の楽しみは中1の娘が書いている小説を読むこと。「文章がキレイでね。私より上手。期待してますよ」と父の顔を見せる。
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