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町田 コラム

公開日:2022.12.15

町田天満宮 宮司 池田泉
宮司の徒然 其の115

 タデ科の中でも割と花が大きめで可憐なミゾソバ。水田の畔や湧水のほとりなどを好み、葉がソバの葉に似ていることから「溝蕎麦」と書く。花はピンクや白の他にやや褐色のものもある。タデ科の特性として、花弁に見える部分が実はガクであることにけなげな進化の努力を感じる。他の植物と競合していなければ30センチほどだが、背の高い繁みだと負けじと背を伸ばし、1メートルほどになることもある。小さいままでは花が埋もれて受粉してくれる虫を誘えない。そのために茎には細かいトゲがあり、背の高い植物にからむようにして、倒れずに伸びることができる巧みな技を持っている。ミゾソバの近い仲間にはママコノシリヌグイやアキノウナギツカミがあり、ミゾソバは葉の形から牛の額(ひたい)=ウシビタイという別名があったり、ママコノシリヌグイは継子(ままこ)のお尻を拭く草、アキノウナギツカミは鰻も掴めそうなトゲのある草というように、あくまでも想定で名付けられているらしく、いずれにしても良い命名ではないのが残念だ。

 ワールドカップサッカーの初戦でドイツに勝って盛り上がる一方、日本国内では五輪組織委員会も絡んでの談合と贈収賄が、スポーツの平和の祭典に暗躍する黒い影。物価の高騰に伸びない賃金。不透明な政治資金報告書。政治と旧統一教会の関係。トゲを絡ませ合いながら伸びた私利私欲の花は決して美しくない。

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