町田 コラム
公開日:2023.01.05
町田天満宮 宮司 池田泉
宮司の徒然 其の116
しばしば見かける錆(さび)色のコメツキムシ。コメツキムシ類の特徴は死んだふりと変わった跳躍。裏返しにすると他足を胴にたたみ込んで動かなくなる。しばらく眺めているとひっくり返って起きるのではなく、のけぞってパチンという音と共に跳ねる。おそらく焼き米が跳ねるように見えるからコメツキというのではないだろうか。しかし、その仲間のサビキコリはコメツキムシのような艶がなく、錆ついたように褐色でゴツゴツしている。実はよく見ると毛のようなものが体を覆っていて、それが錆に似た絶妙の模様を作り出している。緑の葉の上にいれば見つけやすいが、土や枯れ葉に紛れたら見つからない。素晴らしい擬態。だから触れるとすぐに手足をたたんで、ころんと力なく地面に落ちてじっと死んだふりをする。ただし、コメツキムシの仲間だが、サビキコリはあまりパチンと跳ねることはない。私のように動くまでじっと待っている外敵はめったにいないが、動き出したところをまた指でつつくと、再び死んだふり。かわいそうだから何度もやらない。攻撃能力を持たないゆえの死んだふり。きっと恐くて仕方ないんだから。
日本代表が注目された昨年のワールドカップで、2戦目の相手国コスタリカは、かつて内戦があったが現在は軍備を放棄しているという。攻められたらどうするのだろうか。死んだふりはできないはず。守る軍備から攻撃できる軍備への微妙な必要性が取り沙汰されている日本。反撃能力というけれど、反撃したらそれは戦争。やられっぱなしもできないし、反撃は開戦を意味するのではないか。人類は大なり小なり殺し合い過ぎる。スポーツで一喜一憂しているのが平和。皆わかってるのに。
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