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町田 コラム

公開日:2023.01.19

町田天満宮 宮司 池田泉
宮司の徒然 其の118

 最近「シン」を冠した映画がヒットしている。シン・ゴジラ、シン・ウルトラマン、シン・仮面ライダー等。手がけているシン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバースによると、「シン」にはさまざまな意味合いが含まれているという。「新」はもちろん、本当のとか本来のという意味の「真」。その他「信」や「心」「深」などもそうであろうか。

 バラ科植物が最も活発に謳歌する春。梅や桜、李(すもも)、杏(あんず)、花桃、もちろん薔薇。国民を盛り上がらせるソメイヨシノはクローンだから、せっかく実をつけても発芽することはないが、大抵のバラ科植物は違う種類の梅同士、違う種類の桜同士、違う種類の薔薇同士が受粉によって新品種を作っていく。人の手によって受粉させて種を作り発芽させる新品種生成の一方で、自然界では無事に発芽できるかどうかの確率も低い。反対にリンゴなどは品種が交雑しないように1品種の畑を離すこともしているというが、いくら離しても舞い上がった花粉は数百キロ、いやそれ以上飛ぶから本当に防げるのだろうか。空気中には何百種もの花粉や細菌、まだ塵や埃が含まれているが、概ね人間はそのほとんどに対して無反応もしくは免疫力がある。免疫力で劣勢なのが花粉症。そしてインフルエンザや新型コロナウイルス。

 かつて新人類という言葉があったが、これは若い世代の考え方や合理性に対する「新」で、身体的に進化した意味ではない。本当の新人類は地球環境や大気汚染、悪性のウイルスに対する耐性が目に見えて進化した人類なのではないだろうか。新型コロナウイルスが短期間でめまぐるしく変異したことから考えると、進化は遺伝子が組変わることで発生するようだ。そのテンポは微細な生き物ほど速い。人は生まれて次の命を作るまでの期間が長い。ほとんどの植物や虫はだいたい1年で子孫を作り出す。つまり耐性を作るテンポは人間よりはるかに速いのではないか。これは私のシン・説。それよりも、信じる心を逆手に取って、他人の財産を騙し取ったり、性善説を利用して国の給付金を騙し取ったり、また薄々犯罪と知っていながら軽い気持ちでそれに乗っかって個人事業主と偽ったり、人間の遺伝子は進化どころか停滞していて、道徳教育は明らかに退化しているのではないかと思われる。これはシン・実。

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