町田 コラム
公開日:2023.03.09
徳川家康和歌
桜雨
泰巖歴史美術館 【電話】042-726-1177
3月27日は「さくらの日」です。春の風物詩といえば、桜を連想する人が多いでしょう。桜は日本人にとって、なくてはならない花の一つですね。桜は平安時代ごろに貴族たちの間で観賞されはじめ、鎌倉時代には武士にも花見が広がります。室町時代以降には、時の権力者によって大規模な花見が開催されました。
こちらは、文禄3(1594)年、豊臣秀吉が開催した吉野山(奈良県吉野町)での花見の際に、これに参加した徳川家康が詠んだ歌です。
花のねかひまちかぬる はなもいろ香をあらハしてさくや吉野の春雨のをと
春雨の降る音がするなかで、待ちかねていた吉野の桜も色や香りを表して咲いているのだろうかと想像した歌になります。
桜の花にかかる「花散らしの雨」とも呼ばれる春雨ですが、家康には「花の育成を促す雨」に感じられたようですね。
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