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町田 コラム

公開日:2023.03.30

町田天満宮 宮司 池田泉
宮司の徒然 其の122

 樹木の場合には樹洞のこと。木肌が傷ついたり割れたり、または幹を切断した時に、芯の部分があらわになることで、虫に食われたり腐ったりしてできる穴。大木はしばしば根元にできて、人が入れる大きさになることもある。木は外皮のすぐ内側が最も活性のある部分で、芯に近づくほどに細胞は死んでいる。ただし、死んでいるのに幹を支える役割に留まらず、栄養や水分を運ぶ機能をもっているというから不思議だ。うろができるきっかけは様々だが、大木はうろができて幹全体を支える力が弱まるリスクが増す一方で、芯の部分が空洞になった方が、無駄な代謝が減って長命になるらしい。境内の梅の老木も、太い枝が折れた痕がうろになって、腕が入るくらいの大きなものもある。うろの中は暗く湿っぽくて覗くのも手を突っ込むのも、何だか怖く感じる。大きなうろは異世界を繋ぐ入り口のような逸話もあって、近寄ってはいけないようなイメージを持っていた。

 当社の故実で「思いのまま」とされている梅は、今年も薄いピンクの花をたくさん咲かせて楽しませてくれたが、手を伸ばせば届くくらいのところにうろができている。ついつい中を覗く機会はなかったが、横を通った時に何かの鳴き声が聴こえたので、恐る恐る覗いてみた。思わず笑顔になった。除いた私を親と間違えたのか、口を大きく開けてエサをねだるムクドリのひなたちがピーピー。梅の老木は鳥の保育所になっていた。親がエサを運んでくる前にそそくさと退散。意外なところに生き物が共生していて、老いても大したものだと感心した。

 軍事侵攻する国、かまってちゃんのように高価なミサイルを飛ばしては海洋投棄する国、間に入って立場を優位にしようと画策する国。テレビもラジオも、SNSまで規制して監視して、国民に何を聞いても、迂闊に国を批判する発言はできない某国々。手を突っ込むどころか、近づく事さえしたくない怖い国々。共生への道のりは遠くて果てしない。

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