町田 コラム
公開日:2023.05.25
町田天満宮 宮司 池田泉
宮司の徒然 其の124
鬼 タビラコ
ハルユキノシタの隙間から新芽を出した鬼田平子 (オニタビラコ)が、土も日当たりも良いせいか、ぐんぐん伸びて50センチほどになり、花火のように黄色い花をたくさんつけた。雑草の代表格だが、生育環境が悪いと七草のホトケノザである小鬼田平子(コオニタビラコ)と区別が難しく、地域によっては七草粥に焚かれることもある。同類で無毒だから食しても差し支えない。田平子といえば小鬼田平子を示し、その大型種だから「鬼」が付いて鬼田平子。その小さいのが小鬼田平子。小鬼田平子は田平子。名前がループしている。
基本的に環境が良ければオニタビラコは1メートルになることもある。戦後の日本人はタンパク質不足も解消され、栄養状態が良くなり、それに伴って平均身長は伸び続けていた。某番組で「経済成長が停滞したら日本人の平均身長の伸びが止まったように感じる」という都市伝説的な意見を発していた。とんでもない。ちょっと調べれば分かる事。実は平均身長の伸びは、この30年横這い。基本的な環境が整って伸び続けてきたが、おそらく日本人の限界値になったのではないだろうか。ただし若い世代の足の比率は伸び続けている。それが証拠に、アルバイトの巫女さんたちの袴は、以前特注だったサイズが今は普通サイズだ。
地球温暖化が進むと背の低い草たちはどうなるのか。いくら「鬼」が付くといっても、2メートル超えの鬼田平子は想像したくない。巨大なタンポポやスミレも同じこと。でも人間のように不自然な背伸びはしないから、ゆっくりじっくり順応していくのだろう。他の生物と比べれば人間はせわしない。狭い居住区域に限定して生活レベルの向上を目指し、自然とうまく付き合うことを怠って広い自然環境を壊してきた。つまりそれは生物としての生活環境の悪化、生活レベルの低下ではないか。地球環境問題に対してようやく国際的に動き始めようとしているのに、足並みを揃えないどころか戦争をしている国、利権拡大をもくろむ国。そして、電気自動車への全面的なシフトに賛成できない我が国。石炭火力発電をやめられない我が国。止まらない負のループ。内にも外にも大鬼小鬼がいる。
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