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町田 コラム

公開日:2023.09.21

町田天満宮 宮司 池田泉
宮司の徒然 其の129

  • たくさんの種類があるシャクナゲの花々

多様性の容認

 春の訪れを日々感じる3月。堅く閉じていた石楠花(しゃくなげ)の蕾が膨らみ始めて、日々刻々と開いて行く様子は、力強さと共に暖かい季節の到来を教えてくれる。「さあ虫たちよ、私のところへ来なさい」と言わんばかりのアピール度。この派手さは明らかに西洋の花と思いがち。ところが、石楠花は花の色や大きさなど、その特色を細かく分類すると数百種類にも及び、今もなお増えているらしい。つまり交配による交雑が容易で、もはや日本のものか海外のものかなんて判別しにくい。ただし植物の多様性は花の色や大きさだけで言えば単純なもので、それが例えば蔓性への変化が起きるには相当時間がかかる。

 人間も多様性を求められている。人種、文化、性別はもとより、個人の持つ能力や特殊性の尊重や、ともすれば今まで見過ごしたり卑下したり無視してきたもの、つまりマイナスなものとして捉えられてきたものまで、認めるべき多様性と位置付けられようとしている。そして国境の接しないシャイな日本人は、慣れ親しんだ考えに偏ったり、同質を求める傾向が強いから、大陸の国々よりも多様性の受け入れは遅い。LGBTの法案も、先進国の流れに巻き込まれるように可決。素人考えの単純なケースの予測として、温泉の大浴場で温まっている時に突然若い女性が入ってきて、「私は男です」と言われても困ってしまう。女湯でも同様のことは起こるし、トイレも然り。誰か解決策を考えてほしい。困る我々よりも、本人はもっと辛いのだから。お国柄も考慮し、日本なりのやさしい対応ができないものだろうか。いっそ全人類が中性になったら、夫婦の問題、性犯罪などはなくなるから、異性につぎ込むエネルギーが他方面に発揮され、それはきっと進歩するのではないかとも考える。ただし、その中途の過程で、人間はきっと、差別や争いの歴史を増やしてしまうのだろう。

 もう少し緩い想像として、石楠花がフェンス一面に絡みついて、あの大きな花をたくさん咲かせる景色を見てみたい。

【お詫び】前回の「マツオウジ」の中で、寄生された樹木を「マイバシイ」と記載ミスを致しました。正しくは「マテバシイ」です。

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