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町田版 公開:2023年11月30日 エリアトップへ

宮司の徒然 其の135町田天満宮 宮司 池田泉

公開:2023年11月30日

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牧野の植物図鑑(右)とアキノタムラソウ
牧野の植物図鑑(右)とアキノタムラソウ

草木の思い

 私が物心ついた頃からあった牧野富太郎氏の植物図鑑。昭和35年版だから初版本ではないが、植物好きな父が買っておいたもの。幼少期、我が家の植物図鑑はこれだけだった。当然カラー写真の本などなかった時代だから、小学生の頃から頻繁にこれだけを使っていたため、だいぶ汚れてくたびれてきている。

 60年余り経過して朝ドラになるとは思いもしなかった。

名前

 2回目の登場となるが、アキノタムラソウという命名にはずっと疑問を抱いていた。牧野植物図鑑にはハルノタムラソウやナツノタムラソウも並んでいるから、漢字にすると「秋の田村草」と思ってしまう。まず「タムラ」は集まって繁ることから「たむろす」が語源らしい。そしてアキノタムラソウは春も夏も咲いているのを見る。つまり「アキノ」は「安芸の」とか違う意味なのではないだろうか。

 朝ドラの中でも、命名について論議を醸すシーンがあったが、牧野博士も他の植物学者と論争していたらしい。それほどに名付けという作業に苦労したということだ。真っ向から牧野博士の主張に反対していた植物学者もいたという。名付けた者勝ちと言えないこともないが、人間ひとりの人生で植物全てを調べつくすのは無理がある。まだまだ多くの愛好家や学者による調査は継続中。

 私は植物だけが好きなわけではない。鳥も虫にも興味はある。とはいえ本業ではないから所詮片手間。かくして浅く広く。そして最近の境地がなんとなく思いをふりだしに戻す。アキノタムラソウは自分の名前なんてどうでもいいこと。植物の願いと目的は、住みやすい環境と子孫繁栄。酸素を作り続ける代わりに、地球をきれいにしてくれと訴える。この草木の思いは牧野博士も私も同じ。

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