監督・脚本を務めた映画「すべての夜を思いだす」が3月に公開される 清原 惟さん 多摩市出身 31歳
「日常」にこだわり撮影
○…およそ5年をかけた最新作が完成し、3月の公開を迎える。「3人の女性とまち自体が主人公。人々の日常とまちの魅力を見てほしい」。公開を前に取材や劇場用のパンフレット制作にあたる。撮影では出身地である多摩市の商店街などから協力を得て、感謝の気持ちをもって先ごろ現地で先行上映会を開いた。チケットは完売。「特に手伝ってくださった皆さんに見てもらいたい気持ちが強かった」
○…映画監督をめざしたのは高校生の時。友人と遊びで映画をつくったことがきっかけだった。「映画を撮ることで自分自身の世界の見え方が変わる瞬間がおもしろかった」。大学時代に同級生と共同で制作した作品が「ぴあフィルムフェスティバル」に入選。注目を集め、「当時は何も分かっていなかったけど経験を積んで、今は楽しみ方が分かってきたのかなと思う」と振り返る。
○…幼少期を多摩地域で過ごした。公園や緑が多くて原風景という印象をもっているといい、今作のため、街を訪れてはリサーチを繰り返してきた。「歩きながら、その場所の風景を見ることが好き」と話し、「『ここに道があったんだ』っていつも新たな発見がある。多摩は歩くのが楽しく魅力的なまちです」。そんな息抜きの時間が映画のイメージを膨らませてくれた。
○…「普通に生きている人の日常を映画にしたい」と思い続けている。今作では図書館で手にした書籍をもとに著者を探して話を聞いたり、ニュータウン草創期の住人にインタビューを行うなど丁寧な作品づくりを心がけた。「まちにこの映画を作らせてもらった感じ。とても感謝しています」。もうすぐ公開日。どのように受け取ってもらえるか、待ち遠しくて仕方がない。
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