町田 コラム
公開日:2025.06.26
町田天満宮 宮司 池田泉
宮司の徒然 其の153
寄生
境内の片隅に見慣れない花を見つけた。まだ球根部分が小さいのか弱々しいが、どうやら正式名「シラー・カンパニュラータ・ヒヤシントイデス」という覚える気にもならない長い名で、アフリカ北西部アルジェリアやモロッコなどから来た園芸種。おそらくどこかの庭で種を食べた鳥が落としたのではないだろうか。「シラーの仲間か、ヒヤシンスの仲間でいいかな」と片付けてしまいがちだが。幸い比較的覚えやすい釣鐘水仙という和名がある。時を同じくして、駆除しないと厄介なほど広がるトキワツユクサに紛れてヤセウツボが顔を出した。これも帰化植物で、はるばる地中海沿岸から牧草などに混じって日本へやってきた。葉緑素を持たない寄生植物で、農作物に寄生すると生育を阻害するため、要注意外来植物となっている。どちらも日本に来たかったわけではない。いうなれば連れて来られたと言っていい。大きな違いは、園芸用として正規のルートで来た釣鐘水仙は商品として大切に育てられるが、ヤセウツボはたまたま紛れ込んで来てしまったし、見た目も地味だから園芸用にもなれず、意図せず望まず異国の地でひっそり生きることになった。しかも、他のウツボグサの仲間は色鮮やかで愛されているのに、ヤセウツボは要注意植物とまで言われてたまったものではない。寄生植物は宿主の植物を殺すことはしない。自分も死んでしまうから。マツタケ、ギンリョウソウ、ナンバンギセルなども然り。人間に害を及ぼすというだけで要注意とか危険とか、食べれたり、見た目が良ければ受け入れられる。破壊をやめない人間中心の地球。豊かな未来のために作られた核が、殺し合いの核に。それをネタに威嚇し合いけん制し合い、すれすれのバランスをとるための切り札にしている。社会生活の進歩のために開発されたAIは、詐欺グループが使用して被害者が増大。懲りない。何度でも繰り返す。開発者も使用者も先を見越してない。そして依然大国の核に寄生している我が国は常に弱腰。
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