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町田 社会

公開日:2025.09.11

音楽通じ、高齢者に元気送る
90歳超える市内在住土居さん

  • 今も自宅でピアノ練習するという土居さん

  • 「音楽一家」と話す土居さんを見守る真之さん(右)

 音楽を通じて高齢者に元気を送っている90歳を超える女性が町田市内にいる。木曽西で通所介護を行うデイサービス木曽で現在、「歌の先生」を務めている土居珠子さんだ。「生徒」である施設の利用者らに合わせたなつかしの歌などを用意し、ピアノを伴奏。歌の時間をプロデュースしている。大学の声楽科出身で長くピアノの先生を務めてきた経験をもとにしたその時間に生徒たちの間には笑顔が広がり、時にはメロディになつかしさを覚え、涙をみせる人もいるという。

トークも

 そしてもう1つ、土居さんが利用者たちを引きつけているのがそのトークだ。90代とは思えない張りのある声で昔の話題に触れ、時事ネタなどを交えつつ、みなを楽しませる。毎回、歌声と共に笑い声が聞こえるのが、この歌の時間の特徴になっている。

 土居さんは「ボランティアで行ってきた。みなさんに喜んでもらうため、選曲し当日着る服も工夫しているんですよ。私も楽しいです」と笑う。

2千年代初めから

 土居さんが歌の先生に務めるようになったのは2000年代初めごろ。ピアノの指導にあたっていた縁で誘われ、コロナが感染拡大する以前は現在よりも数多くの場所で歌の先生を務めていたという。

 土居さんを見守る息子の真之さんは「私も高齢者対象の歌の会を任されたことがあるが、みなさんに合った話をすることができず、盛り上がらなかった。母のすごさが分かります」と苦笑いする。

 一方で土居さんに来てもらい「ありがたい」と話すデイサービス木曽の担当者は「私も拝見したことがあるが、みなさん喜んでいた。今後もお願いしたいと考えている」と話している。

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